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豪雪地帯 [記憶]

近頃テレビのニュースで、実家近辺が良く映ります。

地方都市の辺境。
主要産業:農業
抱えている問題:過疎化

全国区のニュースに載る理由:答え・・・・雪、が沢山降っているから。
有数の積雪量、で連日、天気予報ではなくニュースを賑わしているのです。

思い出しました。

あれはワタクシが中学生(あまりに遠い日のことでクラッとめまいがします)・・・の頃のこと。レジェンド・オブ・スノーデイズ、すなわち今でも語り伝えられる記録的豪雪。

寒波が居座って、連日の雪が続いた年のある雪の日のこと。中学校にて。・・・二時間目の終わりごろだったでしょうか。教室に校内放送が入りました。

「・・・・・・本日、積雪量が多大のため、本校は授業を午前に切り上げ。全校生徒は速やかに帰り支度を整え、担任の指示のもと、集団下校!にて帰宅のこと。なお、各家々には、本校より電話にて連絡を取る」
おごそかな教頭先生の声。
・・雪が降るからって臨時休校ってなんじゃろ、と思うも、降って沸いた半休に嬉々として帰り支度をはじめる生徒達。当時、しかし携帯もメールも無い時代、全戸家庭に連絡を取るなどという作業は並大抵なことではなかったはずでした。
そして、ほんとに只事(ただごと)ではない事態が起こっていたことをその後、身をもって知りました。

連日降り続く雪、は前の夜からピークを向かえて降り止まず、朝には走行可能だった通学バスも全区間ストップ。そのはずで、たとえどんな大雪でも、町民の生活道路は確保しなくてはならないと、『克雪』(雪に負けずに頑張ろう、という雪国独自のスローガン)の精神を具現化すべく、除雪車、ロータリー車、ブルトーザーまでが一斉出動。道路という道路をめぐり、除雪。除雪・・・・。

その後に残されたのは、道路両脇にそびえたつ雪の壁:高さ6ーメートル!
なぜ集団下校なのか。答え・・・単独は危険だから。

本来ならパイプから消雪用の水が出ているはずの道路は、圧雪で真っ白。
灰色の空からは降り止まない牡丹雪が埋め尽くすばかりに降り続いて真っ白。
両脇の壁は言わずもがな、6メートルの新雪で真っ白!

・・まさしく、ホワイト・アウト状態。つまり、単独歩行は遭難の危険を伴う!という学校側の配慮であったのです。
(念のため言い添えますが、すべてノン・フィクションです。)

小学生以来の集団下校が始まり、最初はなんとなく恥らったりして?照れくさそうに歩いていた中学生たちも、だんだんと顔つきが真剣になって来ました。
どうして各自の家に連絡が必要だったのか。・・・そのはずです。
6メートル雪の壁に阻まれ、なんと、自分の家の玄関が見えません!
雪が、軽く家の屋根を越しているわけですから、自分の家が判りません。何メートルか道路を歩いて、家人が外に迎えに出ているのを確認して、やっと帰宅完了、となるわけです。
わずかに見える電信柱の頭、を数えている者もいましたが、特殊部隊じゃあるまいし、そんなことをしても意味が無いことに気づいたのか、やがてただ黙々と、うつむいて歩くだけになってしまいました。
中には気の弱い子は半狂乱になって「オレんち、どこだよーぅ[たらーっ(汗)]」と叫ぶ男子も。・・・八甲田山・死の行軍、です。
家の玄関を通り過ぎた者までいました。内側からの除雪が間に合わず、閉じ込められた状態の家族を救うべく?自分で壁を掘り進んでいく果敢な子もいました。
ワタクシ自宅まで歩くこと二時間・・・・もういい加減頭の中で何かが呼ぶ声が聞こえそうになったころ、ボコっ、と(おそらくここが自宅の近辺じゃないか、と思えたあたりで)、父親がスコップで雪を突き崩して
「お帰り」・・・と。
(この当時、通学途中で雪崩!にあって遅刻、という猛者?が本気で居たんです)

温暖化が囁かれ始めて以降、積雪量は徐々に減少傾向にあり、ここン十年ほどは、お正月に初売りに出かれられる!という温暖でのんきな年が続いておりましたが・・・
それでも思い出したように豪雪地帯はその本質を現します。以下、うちの息子が生まれた年、七年前の1月の写真ですちなみにこの当時の積雪量は約4メートル。上記のお話の参考になりますでしょうか。
南の生まれのマイ・ダーリンは、この時、何かを本気で後悔していたのかもしれません・・・・・。
DSCF0829-3.JPG
冒頭に戻りますが、「雪はどうだ」と実家や友人に問い合わせたところ、「・・・疲れるよー」と。
連日の雪下ろし・除雪作業は徐々に従事者のHPを奪います。
災害というカテゴリーで捕らえるなら、雪が降る、から大変というより、除雪に携わるヒトがいない、という問題が、具現化しています。
過疎の村、あるいは昨年の地震で過疎化に至った村、高齢者世帯ばかりの村、こういった根本原因を据え置くと、、『克雪』のイニシアチブをすら危うくしかねないのでは、と思います。
魅力のある町を作る、産業が流入しやすい町を作る。等々、課題は雪のごとく山積まれているのです。
そこから出奔?している身の上では、エラそうなこともいえませんね。
DSCF0827-1.JPG
さておき、我がふるさとの町がこんなこと(=雪)ででも、パブリックな地位をもっと確立しても良いかと。
ワタシは、見たことありげなお年寄りが画面に映ると、思わずこぶしを握って応援したくなる。頑張れ、おじいちゃん。

[こんな雪、生まれて初めてだ」
・・・いや、おじいちゃん。生まれて」・・ってそれはチョット・・・
(・・・カーーーッッット!)

画面に映る役場の周囲は積雪3メートル、「今にも崩れそうな雪の壁です!」。・・・危ないぞ、リポーターのお姐さん。

・・・でね。
・・・良ぉぉく目を凝らして見ると、チラッと写る周囲の住宅は、・・・キチンと雪が除けられいて、キレイなものです。どっこいまだまだ強い、と思います。雪国は。
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