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葬儀狂走曲。(その1・費用編) [遠距離介護]

葬儀社の手配までしてくれたKケアマネから

「これだけは。」
・・・と念を押されていたこと。

「お父さんの死亡が確認される前に、お父さん名義の金融機関から預金を全額降ろしておきなさい。」

でも良く考えるほど、・・・これはワタシの立場では無理だ。
金融側に 「当該者の死亡を知られずに」 預金を引き出す、ってことが、土台無理なのだ。
ワタシは父の身内(娘)とはいえ同居していない。
したがって、生前でも、本人の同席なくして、預金をおろすことはできない。
父の預金は、同居の配偶者である母親ならば可能だ。がしかし
母は車椅子生活のため、自分で金融機関に赴く事ができない。
金融機関によっては、本人の居住地まで来てくれるが、・・・
ならば自宅まで来てもらって母親が父の預金を引き出せば良いのでは・・・
自宅に来てもらって、そこに横たわっている遺骸が「父」であることを
金融側が確認した時点で、父の口座は即座に凍結されるのだ。
いわゆる「バレバレ」な状態。
八方塞り。そんな美味い演技が出来るほど身内側は、精神状態が充実している今、ではない。

高速道二時間半、ぶっとばして帰還した我々は、
三々五々、自宅に戻っていく隣組の面々を見送りながらぼんやり、

「費用、どうしよう・・」

のスパイラルに陥っていた。・・・


葬儀屋のメンの1人、は葬儀社の社長であった。
慣れた采配で、今後主催の我々が葬儀の一連でなすべきことを箇条書きに説明してくれる。

「費用は極力、勉強します。」

しかし、費用の工面まで面倒を見てくれるわけではない。
老親と離れて暮らしている方、万が一の場合に、
今日の明日、で自由に出来る金額が手元にあるか、
これ、とても大事です。
場合によっては、葬儀など当面の費用、を配慮して工面のできる
金融機関もあるようなのですが・・・結局、どうしたって現状、金融機関には知られてしまうじゃないか、という結論のもと、
開き直って自宅に来てもらって、
母の預金口座から当座の必要金額の一部、を引き出すことにした。

一部、というのは
母親の施設費も同口座から引き落とされている以上、安易に必要金額の総てを引き出すことはできない。
なにせ母親の落ち着き先は現状確保されていない。・・・
お役所に届けている口座は大事だ。
そこで、上記同様の手続きを、郵便局(ウチ実家のすぐ隣)にもある母親の口座で施そうと考えていたのだが・・・・・・

「当局では、どうあれ本人がいらしていただかない以上、預金はどうあっても降ろす事はできません。」

「だーかーら、本人、は、車椅子で、しーかーも、お宅の局は、バリアフリーに対応していない、じゃないですかぁぁぁっっっ」

電話口でワタシと先方(郵便局 )の応酬がかれこれ30分、続いているのだ。
なにかおとろしいモノでも見るような目でワタシを見る叔父・叔母夫婦・・・・。[たらーっ(汗)]

先方(郵便局)の日頃とても誠意ある対応をなさるFさんとは既知の仲。
だがしかし規則の枠の中で
誠意は頑固、懇願は逸脱となってさっぱり埒が明かず、ただただお互い気まずくなっていく。

結局ガマンできずにワタシが切れた。(毎度沸点の低い女です、ハイ。)

「やはりこの場合通常ですとご本人がおいでいただかないことには・・・」と繰り返すFさんに

「・・・通常の場合でないからあえてお電話申し上げているんですけどねぇっっっっっ」

「解ります。ですがしかし・・・」

「ええ、こちらもわかりましたっっっ。結構です。その委任状でも何でも、ご用意なさっててください。
記入後に本人が伺えるかどうかはわかりませんが、
とりあえずワタクシがその書類の受け取りに今すぐ伺いますっっっっ[どんっ(衝撃)]

・・。徒歩五分とかからない場所にあるんです。・・・大声を出したら、母親がここにいることだって
確認できる距離なのに、お役所仕事の馬鹿っっっっっ(泣)

そして数分後、実家の玄関からカッカしたワタクシが郵便局に出かけていきましたところ
・・・
他の客に対応中のFさん、「あ、ちょっとお待ち下さいね」

しばらくして
「・・・局長にたった今、確認しましたところ、上限〇十万までなら、と許可が下りましたので・・・」

その後、なかば唖然と立ちんぼうのワタクシを尻目に、記入すべき書類の数々を
あくまで簡易にしてくださり、
ぎりぎりオッケー、と設定額の〇十万を即座に用意してくれ、

「・・・お父様、大変でしたね。どうぞ、速やかにご葬儀、執り行ってください。」

・・・えーーー、え、Fさんんんんんん(泣)


・・・ていうか、印鑑くらい、ワタシが押すのに・・・そこまでワタクシ憔悴してないんですが・・・。


郵便局に主たる口座をお持ちの方。
局員のFさんによれば、万が一の時の為に

「とにかくカードを作っておくこと、ですね」
とのアドバイス、が。

カードさえあれば、当人が赴く事が(たとえ一度的にせよ、永遠にせよ)
出来なくても、かなりな部分で
「応用が効く」(?)
とのことでございます。・・・あ、そうそう。

現実、金融機関、のカードに家族の共同名義、なんてものが有り得ない、ということ、よーく身に滲みて
この際わかっておくべきです、とも。

(じっさいこのキーワード、問い合わせが多いようです。)

現金入り封筒を持って帰宅すると、連絡していた別の金融機関の営業クンが既にやってきていた。
お若いので、数いる叔母ちゃんたちの格好の餌食になっていた。

「ご依頼のあった現金ですが、たった今ご本人様からサインをいただいたので・・・どうぞ。」
と、名義人ではないワタクシに渡していいんですか? とちらと思ったかどうか。
なにせ父の口座の凍結、という尊い犠牲を払ってまで正直に手の内を晒したのだ。
電話をかけた三十分後に、現金を持ってくることくらい、

どうってこたーーないよね?????

君達がいて、ボクがいる、のだ。尊い預金者さまたちの群れの周知のもと、
これからもこのようにワタシタチユーザー側の 「唐突なお願い」 をかなえる為に日夜精進して欲しい。
(第一、ここらへんにいるほぼ全員、そう遠くなく・・・)   (※ピー音)

確実にやってくる父の一周忌に備える為、目下集まった香典の扱いを画策中。
・・・

何でアタシだけこんな『やり手婆ぁ』 みたいな役回りなんですか・・・お空の上のおとぉさーーーん[ぴかぴか(新しい)]
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rtfk

お疲れ様です
祖母祖父と続けて亡くなった時に
我が父親とその兄弟姉妹たちはcassisさんと同様
様々なことで(特に金融機関とお役所関係・・・)
東奔西走しておりました。。。
私は運転手と化しておりましたが・・・
自分の時は・・・などと思ってしまったのです。。。

by rtfk (2012-10-25 08:08) 

ryang

郵便局だか銀行だかって大昔は行員さんが
お金の出し入れして持ってきてくれなかったでしたっけ。
(違うかも...。)それにしても、振込め詐欺みたいのが増えて
やけに形式上の手続きにうるさくなりましたねぇ(´○`;
やはりカード必須ですね(`・ω・´)
by ryang (2012-10-25 20:50) 

olegon

この手のひとたち、
入金の際には本人でなくても勝手にするのに
出す時だけは、なかなか手ごわい。。。

by olegon (2012-10-25 21:36) 

cassis

●rtfk さま ありがとうございます^-^。

ほんとうに、ウワサには聞いていましたが、・・・
金策に文字通り走り回るアホくささ、です。
つまるところ、ウチの場合、母親もお金のことは総て
父親任せ、という現実が尾を引いたようです。
自分の時はどうしよう、と・・・ワタシも何度か機会があったのですが。
用意・・・できませんよね。


●ryang さま ありがとうございます^-^。

ワタシも、そーいう光景を目にしてきて、まさかこの土壇場で・・・
と、高をくくっていた部分があります。
本人の口座を守るため・・・・って、
死んだ人の口座を生きている身内から守って、誰か
得するんですかね。ホント、ピュアに疑問です。


●olegon さま ありがとうございます^-^。

手ごわいです。w 
この方達のバッグには会社があって規則が
あるんだなぁ、と思いながら応対してますけど
一度ならずこのオバサンの舌打ちにあの方達も
ビビったんじゃないかと思います・・・。
by cassis (2012-10-25 23:46) 

娘。

そーなんですよねぇ…。
こんな時に…と思いつつも、こういう時こそ、「お金」ですよね。

うちはキャッシュカードがありましたけど、父が完全に憔悴していて、
身動きが取れなかったので、当座のお金を自分の口座からおろして使ってました、私。

結局葬儀屋さんの支払いは後日だったので、しばらく猶予があり、
動きが取れたんですが。

実は落ち着いてお別れできないですよね、葬儀って。

家に帰ってきてからの方がよっぽど母を想いました、私。

by 娘。 (2012-10-26 19:20) 

cassis

●娘。さま ありがとうございます^-^。

お金の事で身動きが取れなくなる不自由と
お金に翻弄させられる間に、いつの間にか
「哀しさ」 が遠くで 絵のようになること。
・・・どちらが良いか、、ま、ワタシは後者で良いタイプみたいです。
「泣く」のは、伴侶、たる母に任せました・・・w
(実際はあの方も泣かないタイプですが)

あっという間に空き家になった実家ですが、
父の位牌は今、ワタシの手元に有り、
息子が一生懸命、お世話をしています。
ワタシ達はいましばらく、髪、振り乱して事務処理Fight!
by cassis (2012-10-26 23:28) 

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