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葬儀狂走曲。(その2・お布施編-①) [遠距離介護]

父が生前の事。

叔母の後を追うようにして、アルコール性肝炎で亡くなった叔父を見取り、
後始末一切を執り行うことに(ハメに)・・・なった父が
私が知るうちでもっとも困っていたカオを見せていたこと。・・・・

「葬儀」 である。
去る10月12日 父が亡くなった日の翌日の朝。

図らずもその父が横たわっている傍らで、今しもワタシが同じ脂汗を(ココロの中で)流していた。

「枕経」 という 仏式で行われる、故人に最初にあげるお経、である。

この際、お坊さんも交えて今後の葬儀の進め方の相談をする最初の場所、だそうな。
無論、葬儀屋さんにも入ってもらっているので、当然三者会談による相談となる。

叔父・叔母の時は、その葬儀の一切のことがらをお寺にて行ってもらった。

叔父は大変熱心な檀家だった。
そして(悪い事に)当時の法上様と個人的に親交を結んでもいた。

そしてこのたび。
戦後生まれの現代っ子(死語?) たるワタクシは、先だってケアマネに紹介してもらった
葬儀屋メンの会社に当然、一切を任せて、ただ時が過ぎるのに身を委ねていこうという
テレサ・テン的な心づもりでいたのだが、・・・

「・・・・叔父・叔母さん御夫婦が当寺で行っている以上、コチラのお父様も当然・・・・」

という 寺のイケてる若(坊さん)(二代目) (※こちらでは若法上様、通称「若」というらしいので以下「若」)

・・・が云う。

(※実年齢の若さも手伝って、こちらの二代目は『美坊主図鑑』に 載せても良いくらいイケ坊主である・・・が
 ・・・余談過ぎる話だ。)

チラリ、と本家の叔父を見ると、頷いて (そうしなさい)のサイン。

・・・葬儀社でやったら一箇所で済むんですけど・・・
なんてことは口が裂けても云えないムードです。
仰せの通りに・・・。

それから「戒名」のお話。

祖父・祖母ともに大姉・居士をいただいていると、・・・当然?
それだけ熱心な方々が身内にいらっしゃったのだから、と
ワタシの父、も・・・当然 「居士」でしょう?・・・ なんだそうだ。いや、別にそう決まっているわけではなく
慣例、とも言えず、あくまで・・・ムード。ムードです。

「あの世」で めぐりあってクラス格差が生じたら ヤバイでしょう・・・ってヤツ。
「居士」 となると、やはり相場もそれなりに・・・って、

ここがなんとも面倒なところなのです。

そもそも「居士」から上、をいただくとなれば、それ相応の金額が発生する・・・・
という考え方は正しい檀家、としてはイカンのです。
NGです。

どれだけ要はいただこうとする自身に信仰心、があるか。
そもそも戒名、とは本来は生前にいただくべき、ものなのです(と)。
自らの信仰心を広くしろしめす印籠のようなものか。(この戒名の文字数が目に入らぬか・的な?)

http://www.gem.hi-ho.ne.jp/sogenji/rakugaki/kaimyo.htm  ( ← ご参考に・・・。 )

とても微妙な問題ですね。

とりあえず、「居士でイっときます」 と。
無言の圧力?にうなづかされたような形で。 肩がこります・・・・(泣)
檀家制度の前では「実の娘」の意向なんてもの、吹けば跳ぶような存在感、なんです。ハイ。

さてそれから葬儀の形式。

仏教でも宗派によってかなり違うと思いますが
ここでもネック?になったのは(あくまで費用面です)

またまた出ました。祖父・祖母ともに行っている葬儀の形式。通称「せんぼ」。(調べてもネットでは解りませんでした。なんなの、この「せんぼ」の言葉の意味。ご存知の方はご一報くだされませ)
祖母が先に亡くなった際、熱心な仏教徒である叔父は、どうしてもこれだけは譲りませんでした。
(他にも色々譲らなかった叔父でしたけれども・・・・なにせあの、ワタシの母、の兄、ですから)

・・・とにかく、この形式で葬儀を行うと
本葬の際、お経を読んでくださるお坊さんの数がざっと六名。多っっ。

なんでもこの「せんぼ」(・・・「せんぼん」?) なる形式を執り行うには、それなりの「資格」が必要とのことです。
田舎のことなので、これがお出来に成るお坊さんを集める、自体
大変な事、なのだと記憶していますが・・・・。

確かに、お坊さんの「混声六部合唱」? は素晴らしく迫力があります。
坊さん六名が一斉に読経し、立ち・座り、五体倒地し・・・・
二度ほど見る機会があったわけですが、それはもう
「・・・武道館???」というくらいの迫力があります。

お坊さんもかなりエルダーなヒトびとがこれを額に汗し、肩を上下しつつ
呼吸を荒らげながらおこなうわけですから
文字通り命を掛けてやってるぞ、という迫力が伝わり、
見るものをして感動に導かずにおれないビッグで壮麗なお葬式(=イベント) になるのです。
(ほんと、スゴイっす)

ですが、・・・・・
今回ばかりは、この儀ばかりはご辞退申し上げましたっっっ。(泣)平均的な 2名(法上様と若法上)で・・・・。と平にお願い申し上げました。
だってアナタ、

お布施六倍、ですよ(泣)

お坊さんのジャニーズ(※しかもかなりエルダー) の武道館コンサートに
費用を費やせるほどの熱心な信仰心と余裕の手持ち、は持ち合わせていません。

「はい、ではとりあえず2名、ということで。」

多分、時期的に人数を揃えるのはお寺側でも難しい、と感じたのか
えらいことすんなり、了承していただいて ホッとしたワタクシです。
戒名のグレードと本葬のグレード・・・これらを鑑みて
遺族が「お気持ち」として支払う・・・いや、お渡しするのが
「居士料」 「お坊さんの代金@名」・・・・ぉっと、そんなものは存在しません。
オールトータルひっくるめて「お布施」ですが、
今はそれを払う段階ではないので、後回し。

とりあえず、枕経のお布施、としてン千円
お坊さんのお着替え、のタイミングを見計らって、お盆に入れてお渡しした。

さて、
お坊さんの枕経が終わると、今後の湯潅・納棺の儀、荼毘・葬儀までの流れを
イケメン「若」が ぱっと見高校生のような字で 筆書きしている。
満場のまんじりともしない眼差しのなかで さすがの「若」 も
「字が下手でスミマセン・・・」 などと云う様子はやはり若い方、ですね。
「さて本葬ですが・・・。」
実は十月は 寺の書き入れ時だ、という。
様々な法事の年次予約が入っていて

「・・・午後の本葬しか時間が空きません」 とのことだ。
・・・それを先に云って~(泣)

つまり、明日にしろ明後日にしろ
午後の三時半しかお坊さん'sの時間は取れない。
あくまで本葬は火葬のあと、であるから
(そして火葬は本人死亡二十四時間後)
明日の火葬の時間が午前一番で取れれば本葬は午後三時半から行えるが
火葬の時間がずれれば
本葬は明後日のやはり三時半から、・・・しか時間が取れない、とのことである。
・・・あひぃ。・・・今夜で通夜も二日目。
明後日まで通夜が延びると・・・・ワタシと旦那様の体力も限界ってことに・・(泣)
(本気で二次遭難、です)

町役場が開く時間を待って速攻連絡。どーか、どーか火葬場が空いてますように・・・
空いてると言って・・・・焼いてもいい、って云ってよぉぉ。

「九時半、大丈夫です。ご予約、入れておきますね。」

パァァァァァ[ぴかぴか(新しい)]
故人の前でなんて不謹慎な。
でもね、このときばかりは宝くじに当たるくらいの嬉しさでもって状況を歓迎したのです。
ね、眠れる・・・・

早速、本葬は、明日九時半火葬後、午後の三時半からに決定。
その後は葬儀屋において葬儀のお斎(とき)。
「では、そのようなことで」

父は明日、湯潅の儀にて、体を綺麗に拭き清め、旅立つ支度を終えたあと納棺。
ご近所の見送りを受けて、現世の体を脱いでからもう1つの世界へ旅立つ・・・。

こうして
「若」の了承の元、父の葬儀という一大イベントのスケジュールが幕を切ったのでした。

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ryang

過密スケジュールですね。
そしてお寺のお布施、タケノコの皮を剥ぐように、
あといくら、そしていくら、とキリがないですね。

母方の父が亡くなったとき、祖母の家は宗教もなく、
当然仏壇も無く、だったので、ススメに従っていろいろと
「お気持ち」を支払って、「よけい気が滅入る」とか言ってました。
「ケチケチするとおじいちゃんが迷うことになったら
気の毒だし...」 うーん、なんと難しい。

しばらくお忙しいでしょうが、身体に気をつけてくださいね。
by ryang (2012-11-05 21:06) 

cassis

●ryang さま ありがとうございます^-^。

父の死に顔、を見てしんみりした約十分後から突如始まった
『熱闘!!葬儀ロード』 ってくらいで。
或る程度予想していたそれまでのものを超えて
至らないワタクシを襲いくる試練の数々です(泣)
そうそう、周囲の
「ケチると成仏できないよねぇ」 の声はイタいんですよね。
ワタシ故人としては「生きてる人間が大事」というスタンスですケド。

お心遣い、痛み入ります。
ryangさんも・・・激務でしょうがお身体のメンテを念入りにどうか。

by cassis (2012-11-06 00:13) 

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