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スパイ手帳。(雪が降って思い出したこと) [記憶]

DSC_1322.JPG


朝から庭はえらいことに。



道路は 近所の人という人が出張ってきて
ウチの 物見高い亭主も それにならって
「出ずにはおれじ。」 的な形相でスコップ片手に

(そのくらい熱心に普段の畑も世話してくれよ、と)

ガリガリガリ、と 道路の圧雪を 突き崩しておりました。

おかげで日中 日が高くなる頃にはすっかり
道路の冠雪も 何処かに消え去っていた


雪は ワタシの幼い頃から最近までの記憶に
べったりと張り付く白い「何か」だ。

つまらないことを思い出しそうなときは その白い風景に当て込んで
たちまちに 一面の吹雪模様を描くことで 
無かったことにする


白い朝 と云えば

『●×豪雪』 とかいう名称で記憶に残る年の降雪は

6メートル

帰り道がおぼつかなくなる降雪量だった。

雪国の人は 雪に慣れているというフレーズはある意味正しくて
雪が降ることに諦めてしまうのに慣れているのだ。

降る雪、積もる雪何するものぞ というのとは違う
降れば都会の人同様 困るし 明日の出勤を思って頭が痛かったりする

それを諦めるのに 難くない日常があるというだけだ

・・・そんな難い話をするつもりじゃなかった・・・(^_^;

雪国でも 「大雪だぁ」 という日があるので・・・。

祖母の家(※血のつながりは叔母、だった) に 週末に宿泊しに行くのが 
小学校当時の恒例行事だった
僅か一泊を子供の居ない祖父母はとても喜びもてなし

いっそ 実家ではなくこちらの子供になりたい・・・と思った日々はまた別の機会として

お泊りの翌日は 祖母と一緒に
小さな商店街に お買い物に行くのが常だった

商店街というか僻地の地方都市で 買い物の拠点を担うバス通りの
商店の点在する地域

表通りから眺めると
雪の風景に埋もれて 出入り口すらおぼつかない
通りと同じ高さにあって
入って見るまで そこにお店が存在したことも気づかないような

RPGなら 幻の商店 的な存在のお店
そんなのばかりが 雪の重みを避けて 点在していた。

そこのある一角にあった雑貨店には

平置きされた もろもろの当時のいわゆる 輸入雑貨の類

主に子供と大人の およそ日常性からは役に立たないものとされる
トランプ・将棋駒・すごろく・模型飛行機・BB弾・爆竹や女の子向けビーズ玉

そして リカちゃん人形用 まがい物のハウスなど
(しかも驚くべきこと中国製ですらなく ITARY製 だったりする)

得体の知れないバッタ商品の数々が 薄茶色の褪せた箱の中に納まったまま
表書きに 筆で それ、と判るタイトルを入れられて突っ込んである
言うなれば 魔女のアジトの 宝箱みたいな風情で 雑然と並べたり積まれたりしてあった。


お宝探し、という言葉が 後にも先にもこれほどしっくりきた時代を
ワタシは知らない。

祖母と2人、
時間通りにこないバスを待ち、この雑貨やのガラス格子の扉をガラガラと開いて
薄暗い電灯の下、祖母が店主のばあさんと世間話に講じている中

あれこれと物色する時間ほど わくわくして
胸の躍る時間は無かったのだ
煤けた棚の奥から引っ張り出してきた 子供の目にも宝石のように見えるビー玉を

「あ、それ50個で10円ね・・・・1銭単位の値段、て書いてあるからね」 と

店主のばあさんが言うのを 呪文のようにウットリと訊いていた
「銭」だなんて 当時のワタシの知る単位でも 存在していなかったから
それで買い物が出来る自分は 不思議な時代のポケットに落ちた気がした
(ドラ●も~ん)


一歩外に出れば 吹雪一色でガラスも割れんばかりの天候

ワタシが 平積みされた女子向けの封筒や便箋や 着せ替えの山の中から見つけた

『スパイ手帳』。

当時 少年漫画雑誌の裏表紙に記載されている商品
・・とはもちろん似て 非成るものだ

それでも 水に溶けるメモ用紙と
弾痕のシール 血痕のシール

そして 暗号表 と よくわからない 「スバイの心得」 などなど


ワタシの当時のいびつな乙女心に グサッ と突き刺さるに十分の内容で

『今ココでこれを買わないともうワタシのこの先の人生に2度と楽しいことはやってこない』
 
という強迫観念を植え付けるに十分なインパクトをワタシに与えたのだった

ワタシはもうコレを手にして立派なスパイに成ろう

そうすることで父も母もワタシを誇りに思う日が来るだろうケドその頃には
ワタシはスパイだからもう家族のそばには居られなくなっているだろう

・・・でもこの手帳さえあればワタシのスパイとしての身分は証明されるから
万が一のことがあってももしかして家族あるいは祖母や祖父くらいは
助けてもらえるかもしれない

こんな積雪がやってくる異常事態の時にもワタシがスパイになることで
何らかの恩恵が家族に与えられ、ワタシの英雄視される日が来るかもしれない・・・・・・。


頭の上に黒い雲が乗っかって渦巻くのが目に見えるくらいに考えに考えた挙句
祖母にねだって 『スパイ手帳』を 買ってもらった

その日のパスが いつもの週末の3倍くらい到着が遅く感じたのは言うまでもないが
一方通常の3倍増しで幸せに目がくらんでいたワタシだ。

[クリスマス][クリスマス][クリスマス]



スパイ手帳があっても スパイにはなれないことを知ったのは
ご丁寧にも巻末にある注意書きを読んだからに他ならないが

あのちょっと形容しがたい高揚感と 横殴りに吹き付ける吹雪と 格子のガラス窓とが


田舎の 不自由な物流がもたらした つかの間のポップな情景 として



強く残っている




beads.jpg

画像は「ビーズ」で検索した借り物です。






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コメント 4

獏

そちらも凄い雪でしたね☆
先週末からコメントご挨拶は
雪と雪かきの話題が多いです(@@;))
スパイ手帳!!!(^w^)
フフフフフフ・・・私の秘密のメッセージを
読み終わったら水に溶かして流して
証拠は消しておくように・・・(^m^)♬

by 獏 (2014-02-10 06:13) 

cassis

●獏 様 ありがとうございます^-^。

ウフフフフ。あれはときめきましたよねぇ♪
なにか秘密にすべきメッセージはないか
子供ながら必死に頭を絞って、おやつの隠し場所を
友達に教えるメモに使ってみたり。
あの時 巻末にとじられていた役にもたたない
沢山の「ドクロシール」が 脳裏に焼きついて
未だにガイコツ大好きです。あはは。

スパイに成りたかったなぁ、なんだか。



by cassis (2014-02-10 08:05) 

ryang

うぅむ、懐かしい光景が瞼の裏に…
怪しげな商店の怪しげな商品の製造国がどこであったか、
など私が覚えているわけもないのですが、
これはcassisさんの書く力です。

そういえば幼稚園の頃、なりたいものが見当たりませんでした。
卒園アルバムの「しょうらいのゆめ」に「なんて書こう?」と困り、
「幼稚園の先生、って書いておけば先生も喜ぶだろう」と書き、
エレクトーンの先生に聞かれたら「エレクトーンの先生」とか言って
姑息な子供でしたー。 姑息…姑の息と書いてコソク。くらッ
by ryang (2014-02-10 17:34) 

cassis


●ryang さま こんばんわ^-^v。

怪しげな雑貨屋、商店街、地下街に目がありません。
田舎街のお店はほとんどがこうした何でも屋さんでした。
わたし、現役でレコードの竹針(!) が売っているのを
見たことがあります。・・・
いや、もしかして ど●えもんへのオマージュが見せた
幻影だったのかも・・・・・
(・・・と20年後に言い出したら迷わずしかるべき施設を
紹介してください)

ワタシも輪をかけて姑息なコでした。しかも
先生と親に別々のアリバイを用意して園をサボった
ことがあります。・・・姑の息を浴びるに値します。むはッ


by cassis (2014-02-10 22:09) 

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