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母親的葛藤。 [つれづれ将棋]

名人戦が結局して翌日のY新聞。
全国ニュースに 羽生三冠の名人奪回の記事が載っていました。


「21日午後8時18分、挑戦者羽生善治三冠が111手で森内名人に勝った。 羽生(三冠)は4連勝で、69期に森内(竜王)に奪われた名人位を奪回。 通産8期目で、3回目の名人復位は史上初。 王位、王座、規制と合わせて四冠となった。森内の名人4連勝はならず、 タイトルは竜王位のみとなった。」



(懲りずに将棋関連の記事となります。私的な内容も多いのでタイクツな方はどうぞスルーでw)


トッププロにはプロ同士しか通じえないものがあると訊きます
数々の熱戦を繰り広げた2人であるからこそ
盤上にて 無言でも語れる 「自分」をお持ちなのでしょう



以前 森内竜王が 竜王・名人 二冠を頂いた頃
将棋イベントの席上でインタビューに答えて曰く


「…僕なんてダークホースみたいなもんですから」

にこやかに こともなげに答えておられたのが
記憶に新しいです。

頂点にいらっしゃる方のみが口にして良い言葉なのかもしれませんね


ですが
単に謙虚なお人柄、 というには余りに


耳にする方としては
重たく深く
胸に迫るものがあります



ワタクシは(急に視点がつまんないところにフォーカスしますが)
上記のお二方とギリギリ同年代
割と可愛げを残したアラフォー世代です
(自分のブログなんで自分アゲ、で)
(けっ)


もはや生活シフトの8割が子供の存在中心で動いております
「お母さん」 という役割がワタシにはあり
あとの2割のうち 1割を 地域で担う役割に突発・振り分け中

あとの1割は 「主婦」ですわ (…そこビミョ~)


自分てナニ、と問われれば
そのほとんどが 「母親」シフト なわけです。
世の中を見る目が 母親的ココロ
パラダイムを待ち望んでも それを無意識に拒否る自分
という


そこで
巷で事件が起こった、と聞けば
息子が巻き込まれずに良かった、と胸をなでおろす反面


画面に犯人が大写しになれば
彼にも母親が居るのだろう
もしも、自分の子供が 成長してあのような事件の当事者になったら、と
胸が詰まるのです。
コレ、当然ながら 世の中のお母さん、全てとはいいませんが
相当 …こうではなかろうか。


さて、更に更にピンポイントにはなってしまいますが
先の 名人戦の記事について
ワタシ、市井の一般人の 母親の目線で
以下
つらつら 書きます。
(だらだら 長いんで スルーするなら今です)



自分の息子が アマチュア将棋を指していることも加え
ワタシは将棋についても 色々 母親目線で見てしまう
見た上で
想像(妄想) する


羽生名人も 森内竜王も 同じ年で
小学生の当時から さまざまな大会で対局してきたと聞きます。
ライバルですね
今に至るまで もちろんライバル、です。


最大の好敵手、と云われていますが
誰しもが知るところであるように
羽生名人は あの 将棋界だけでなく日本中を揺るがした
「史上初・七冠達成」 の人です。


もちろん 突然頭角を現したというわけではなく
キッズの当時から
頭1つも2つも 他と図抜けていた、と訊きます。


方や
今や押しも押されもしない
A級にその人在り、と謳われる存在になっても

「僕は ダークホースですから(笑)」

達観したかのような笑顔で言い切る 森内竜王。



竜王・名人 2つのタイトルを持っていたこと自体、
もの凄いんですけどね
名人位 通算8期 も 羽生現名人とタイ記録です


渡辺 明二冠(現)が9年間も保持していたタイトルを
名人に復位してから かっさらったわけですから
羽生名人すら無し得なかった奪還劇です


ふと 新聞記事を読みながら
色んなことを 考えてしまった
インタビューや 4局終局場面のこと
その他 もろもろ



ウチの息子も たまたま将棋を指している小学生キッズ(の端くれ)です。

幼稚園の時から小学生になった現在に至るまで
ぽちぽちと 厭きもせず

(たまに厭きてるフシも見受けられる)


土日が潰れても 文句も言わず

(ここは語弊があるな。…大した文句もいわず…いや違うな、たまにしか文句も)

(いいよそれは)



父親を付き人にして 大会やら教室やらと出かけています。

(これを書いている本日も 大会に出かけています)


息子がやりたい、ということだから
とことんやらせてやりたい、という思いはありますが
これはほぼタテマエ。


心のどこかで
戻れるうちに 引き返して欲しい
と思っている母親の自分も居るワケです。


将棋教室の先生に手を引かれてトイレに行っていたような
当時から ずっと指しています。


当時お教室の子は皆年上で

もちろん
ルールを知る程度の息子の歯がたつようなわけもなく
当時送り迎えしていた車の中で

「また 負けた」

としょんぼりする 小さな息子

負け続ける息子を見るのがイヤで
送り迎えが辛かった当時を思い出すと
しょっぱいです


小学生の大会に 先生の温情で出してもらえた当時
「1勝出来た!」 と喜んでいた
その翌年
小学生の子と準決勝を争った際


強者に 圧倒的な力の差を見せ付けられて
負け
しょっぱい


割と早い時期に 悟ったのですが
息子の指している姿を 見ていることができません



母親と息子は心理的共依存の関係にある、と云われますが
身体的な影響も少なからずあるのではないかと
近頃考えます。


息子が相手に押し込まれているような場面は
理屈でなく 敏感に 「共鳴」 してしまうといったら
解りやすいでしょうか


辛さが肉体的にリアルに迫ってきて
見ていられないのです
心拍数は上がるしね
シンクロしてしまうのがイヤさに
今でも息子の対局は見ません
というか 見られない。


(他所の対局だったら直視できる上になんならヤジも飛ばせます)
(※下品)


「将棋のお勉強」 に付き合うと イヤでも
どちらが優勢なのか、ということは判ってきます
特に子供の将棋などは 解り易いのです


小学生といえど高学年に近くなれば
そろそろ 何が自分にできて、またできないか
自分は何を目指して生きたいのか
おぼろげながらでも
何か 掴みつつある子も出てくるでしょう。
サッカーであれ野球であれ

自分がこうなりたい、という夢があると
同時に


どうも 自分には及第点は取れても
その先に向えるほどの舵は無いかも、という気づきに
直面した時


それでも 踏みとどまるか
あるいは
軌道修正するのか 


軌道修正という時
長く続けたものであれば
小学生と云えど
何らの葛藤も無しに その道から逸れるということは
無いでしょう


その葛藤を 親として引き受ける勇気があって
今こうしているのかどうか
自信が無いワケです

ああ、しょっぱい


けだし 知人がワタクシに 以前

ダメだったとき、彼に何にも残らなかったら
辛くない?」

と云われて
返す言葉も無かったことを 思い出します

何にも残らないってどうして判るんだよっ [むかっ(怒り)]

今更怒っても遅いですわ
(ナサケナイ母親です)


息子は
将棋が好きだという理由で
ずっと指してきて 今に至ります
当然 当人としてはこれからもずっと指して行きたい、生きたいと
思っているのでしょう


周りからちやほやされる時期があれば
ある時
どうにも勝てない相手の出現にパニクる。

つまり


コレまでの自分にあったのは 「天賦の才」なぞではなく
他人より多少 余分に合ったデータの集積(=経験値) と
七割のラッキーだった(使いきり)  ということに
気が付く


どうしても 勝てない
勝てないと もがくうちに
棋力を持ったニューフェイスの(年下の)子供たちに
追い抜かれる


とめどもないマイナスイメージの連鎖です。



もちろんそんなことは おくびにもださず
ひたすら
もののわかったフリを続ける 母親的ココロ。
だって

「あ、そこそこでいいから、趣味的に、ね」 なんて

云えませんよ。


サンタクロースは実は居ないよって
小さな子供に云えませんよ
(なんか違う)



(※ 実際に強豪の子が 親に反対されて諦め、大卒後 超がつく有名企業に就職して
「あれはあれで 良かったと今は思う」 と云っているのを
リアルで訊いたりすると…揺れます。激震です。)



そんなこんなで
色んな葛藤があります。


キッズ時代の森内竜王、には及びもつきませんが
単に将棋、というキーワードを もって
つい 息子の姿と重ねてしまうことを お許しいただきたい

同時に
「当時 森内竜王のお母さんはどんな思いだったんだろう」
などと 思い巡らしてしまう
これもまた 母親的ココロ

もしもね 自分だったなら


「負けました。」 と

息子が 相手に頭を下げているのを目にした途端
声を出して泣いてしまうかもしれません。
またしても 

「もう1歩のところで アの子に負けちゃった」 と

さめざめと、ね。
わんわん、とね。
ほろほ…(しつこい)



全く将棋に限ったことではなく
子供がサッカーをやっている知人なぞは
集団の中で浮いていく 子供の地足が辛い、と云っていました
きらきらした目で 夢を語る子供と現実のギャップを
いっそのこと
子供に教えてあげるべきなのか


母親としては
最後まで子供の夢に付き合うべきなのか、と問われ
ワタシは答えられなかったし
今も 判りません
ふがいないな。


子供と二人三脚を
やればやったで 辛いよね、という


いわば ありがちな母親としての愚痴です


(きっかけは 親父臭いキーワードではある。)



解決策としては
母親シフトをどう自分シフトに切り替えて行くか
なのでしょうね
そして あくまで息子をクールに見守る…
いやいや、親としてはあくまで早めの軌道修正を…


そうして 終わらない葛藤。
もうすぐ 息子が帰ってきます。


最後まで お付き合いいただいて有り難うございました



(息子に内緒のブログですが、最近タイトルを嗅ぎつけたようで不安です)



sho.jpg




螣ヲ¥
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獏

将棋に無邪気に邁進される息子さんを想う母の愛情
ひしひしと胸に迫るものがあります
母親の感情気持ちを理解するのは難しいと思うので
ちと我がケースをば・・・

獏は父親ですが少しだけ似た感覚を持ちます
長男が将棋に熱中していた時期
(今は高校生になって友人たちとの交流関係に忙しく
やめてしまったようですが・・・)
対局を見るのは平気なのですが
負けた瞬間の息子の表情を凝視出来ませんでした
また平均より水分小さな体でサッカーに熱中する
次男坊の試合を見るのは平気なのですが
彼のミスから得点された時のハーフタイムでベンチに
戻ってくる俯いた表情を見るのが辛かったです
その次男も中学生になったら
バスケに転向しちゃいました。。。
サッカーは仲良しの友達一緒だから
楽しかったのであって
競技というか種目的には
あまり好きじゃなかったのかなぁと
想像しています
豚児たちには
自ら選択し 自ら努力し ダメでも腐らず
本当に嫌ならヤメてもいい
という放任極まりない教育方針ですから
父と同じく中途半端で小市民的な
人生に突入することでしょう(涙)

長々と申し訳ありませんでした

by 獏 (2014-05-26 08:58) 

ryang

うーむ。親の心。ですね。
息子さんが自分でやりたくて突き詰めている事柄であれば
それで良い。と思います。決めるのは自分。ということで。
自分に合わせて考えると、親からのやらされ感とか、
出来ないと罰が待っているとか、そういうのがとっても辛くて
「どうして自分はこの家に産まれてきちゃったんだろう」とか
もはやそっち?!的な思考が渦巻き、そして結局成長とともに
ドロップアウトして消滅、「何も残らなかった。」組です。

もし、息子さんが途中で違う道に進むことを決めても
それはそれで、発展的解散てことになるんじゃないかなぁ。
お子さんと良い関わりをされていますよね、本当。
お子さんの意思決定をサポート、という形で親が存在している。
いいなー、と思います(^^
by ryang (2014-05-26 20:03) 

cassis

● 獏 さま ありがとうございます^-^

獏さまの如く 周囲に自然と沢山の人が集まってくる
そんな人生を送れるならば
小市民&中途半端とおっしゃいますが
それで充分アッパレなのでは。
豚児ならぬ麒麟児になる可能性・大です。

ウチは母親たるワタクシ本人がそのあたり
実親と上手い具合に連携が取れなかったこともあり
弱い部分なのであります。
長い愚痴にお付き合いいただいた上 
丁寧にコメントいただいて 有り難いです (´;ω;`)ウッ

よし、いっちょまた頑張ります。


●ryang さま ありがとうございます^-^

「何も残らなかった」 とおっしゃいますが
典型長女気質でうじうじしちゃってるワタシと比較するのも
なんですが
キチンとしたご自身を持っているように見受けます。

丁寧なコメントありがとうございます
そうですね。できないと罰、っていうのを
知らず知らずのうちに 何らかの形で迂回的に
しているかもしれないことを
タップリと怖れなくてはと思います。
肉親であれ他人であれ
人を導くという行為が苦手でして
(と 避けて通れない局面でしょうねコレ) (^_^;)

ツケモノさんみたいな男の子? もイイよなぁと ふと w


by cassis (2014-05-26 22:54) 

さきしなのてるりん

まださきゃ長い。うちの娘はアイドルから漫画家、そのうち舞台俳優と来て服飾デザイナー。結局、一応服飾関連会社に就職はしたものの、障碍者の作業所の支援員になって、結婚した今は町のカフェでシフォンケーキを焼いてる。子どものときにはお菓子なんぞ作ったこともないのに。夢は大きいほうがいい。うちは小学1年の時に鏡文字をからかわれた娘が不登校になりそうになった時も、親の意見は言うけれど最後は娘の意思に任せる姿勢を取りました。結果いろんなことを経験しながら自分なりの人生歩んでいるんですね。わたしもどうも余計なことを書く人間です。あしからずご容赦ください。。
by さきしなのてるりん (2014-05-28 16:17) 

cassis

● さきしなのてるりん さま 有り難うございます^-^。

わー。ワタシ、三番目あたりで駄目出ししてしまうー。
そう、見守る前に手を出してしまうタイプですモロ。

然るにお嬢様はものすごい跳躍をなされたんですね
着地点でそんなにも素敵にイケてるんならば
ワタクシも てるりんさんの如く子供の意思に添えるよう
震える手の方は出さずにガマンします。
「夢は大きい方がいい」 かぁー♪
シンプルなことを忘れていました。感謝致します。




by cassis (2014-05-28 17:44) 

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