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松本へ(2)。 [息子と将棋]

松本の将棋祭り(in 松本城) にて

北島を拝したオリンピック水泳陣のような意気を上げ 城を後にした我々。

(前回記事より)



さて2日目、いよいよ団体戦です。
当日はあいにくの朝からの雨。
台風が近づいているのだから仕方がありませんね。
ホテルから出るほんのちょっとの間だけ降りが甘くなったのが救いです。

2日目 団体戦の会場は 重要文化財 『あがたの森文化会館』

       あがた森魚 を思い起こしてしまいました。ハイ、そこ はじけない。



うっそうとしたヒマラヤスギに覆われた公園内は文化財としても貴重な建物をゼイタクに有しております。
あいにくの雨でしたが、密度の濃いい杉の木の下は一瞬なら濡れずに済みそうなくらい茂っています。

ワタクシは … え゛、そんなことで、と思われる向きもありましょうが

あまりの 自然いっぱいの環境における

鳩(ハト) 臭さにヤラれておりました。
鳥のニオイの中でも、弱いんですよね。・・・

むせ返るほどの鳩のニオイ。・・・ 想像して下さるでしょうか?
(いや、難しいわ)


会場には 早く着きすぎたようで、ワタシたちの後から 昨日の関係者と思しき人々が次々やってくる。
風情のある建物は美しく保全管理されて、こんな中で将棋がやれるのかぁ、と
そこのとこは前日と同じ感慨がありました(…親としてね)。


DSC_2187.JPG



もっとも、支度は前日同様、おっとりしたものでした。
小学生の団体戦、ということで、先日見えた顔ぶれもちらちら。
我々 の チーム三銃士…じゃなかった、チームの顔ぶれたちも、1日あれば意気投合
会場設営時間中にも よろしくやっている。
まずは皆で士気をあげるべく 記念撮影だ。

今日は勝つ。今日こそ勝つ。


大将の地位を初めて任された息子は なにやら緊張の面持ち。
次峰・三将は早くも楽しそうに肩慣らしを始めている
(※これからイヤってほど将棋を指すのに 待ち時間に将棋を指している将棋キッズたちよ・・・幸あれ)



予定時間をオーバーして、開会式。
プロの先生方4人のお出ましです。先日に引き続いてお疲れ様です。

スタート!!
・・・

ちょっと待て。

しょっぱな 「休み番」 てどういうことじゃ。

「わーい、ラッキー♪」

こらこら、子供たち、昨日のことを思い出すのぢゃ。

休み番 = 少なくなる対局数 = 勝ち数に関わらず上位に行けない ・・・のでわ??

はやくも不安極まりない自体に遭遇した我々。
オヤジ達も色めき立つ。
この事態を打開するにはもはや  1局たりとも落せない…

団体戦は 3人が一斉に対局を行い、勝ち星の数を対戦票に記していく。
基本は総当り戦。
最終的に勝ち星の多いチームほど上位に行く。

無言のプレッシャーが 二年生のK君に 伝わってしまったのか

いつものように 受けに受けた後に巻き返しを図るペースで 盤上を席捲していたのが
いつのまに 本人も納得の行かないであろうままに 敗着を喫してしまった…

最初の一戦は2勝1敗。
もっとも 初戦が休み番、となっているため、早くも強いチームは勝ち星6を挙げている。
しかるに またしても 対局時計は無い(!)。
早く、1分1秒でも早く、勝利した上で対局数を稼がなければならない。…

親のヤキモキを尻目に なかなか対局のつかない時間が無為に過ぎてゆく。
前日もそうだったが
対局が始まるまでの時間をこれほどまでに焦れて過ごしたのは 初めてだった。

のんびりしている大将をせっつき、手合い係と思しき関係者の動向にイライラしつつ
(専任の係りが居るような居ないようななんともあいまいな出入りなのである)


それでも何とか二戦目の合図を訊く。

ここから 低学年2人の活躍が目覚しかった。
いや、
凄まじかった。

前日、の不安げな様子はどこへやら、加賀の雄・T君は
誰よりも早くイチ抜けした。
あたかも前日の惜敗を晴らすがごとく小学生とは思えない強烈な指し手。
級位者の頃から一般成人(百戦錬磨のおじいちゃん含む) 相手に
エゲつない戦法で揉まれて来たそうな。
チラっと見た指し手も ハンパなくあたかも暗闇からいきなり グサッと
刺すかのごとくのアサシン(暗殺者) 戦法である。


対局相手の中には 自身のトン死間際まで気がつかず
「アァッ!!」 とか 「えぇっ!!??」 とか声をあげ頭を抱える相手も少ながらずあったのです。
T君…イチ抜けの瞬殺妙手・恐るべし。


かたや初戦で惜敗したものの、その後はいつものペースを取り戻した2年生のK君。
相手の攻めを一旦は全て受けきった上で、小学生とは思えない重厚な手筋と相手をしのぐ読みの力を発揮し
確実に相手より3枚以上の駒得を取って確実に寄せていく。
気がつけば相手のエリアはあたかも機銃掃射状態。
圧倒的な駒得は まるでオール捕虜。
いつのまに相手方の王様は
丸裸にされて 荒野にぽつんと立っている風。

もうやめてあげて K君、可哀相だよ…  (それはナイ)


そうやって大差を見せ付けた上で 悠々と勝ち切る戦法が K君であった。
T君とは 2ヌケを争うすばやい決め口。
可愛い顔して…である。


さて、そうやって低学年2人の スピード戦法に助けられ
こちらは

のんびりといいますか、 …二人に比べてずるずる地を這うような対局をしている
大将の息子・なんとも頼りない将ではあります。


「そんなこといったって、僕だって責任をまっとうしたいんだからねっ」

と抗議の声も訊かれたとかないとか。


T君お父さんいわく 「正統派」 の息子
対局相手の 小学生らしい 奇をてらった 『おやっ????』 という指し筋に
目を白黒させ

「定跡を外した手」に 

「つい、慎重になっゃった」 のだとか。


三人の中では常に 一番遅い終局だった。



T.K君 両名曰く :

「大将、まだ指してるの~~??」


トホホ、待ってて頂戴ね~~。


そうこうしているうちに 前日同様、そろそろ時間に比較して対局数の少ないチーム、というのが出てくる。

幸いなことに当チームは二回戦以降も順調に勝ちを収め、
尚且つ ダメ押しで 「総当り、させてくれるんですよね??!」
の質問について

開催側から 〇 の返答を得ていたため、一応は安堵を得ていた。
然るに


別チームにおいて 対局に時間のかかる組があり
主催者側から

「そろそろ コチラで判定しちゃってもイイかなぁ?」 などと言われているのを目撃。


…それは ルールなの?
なぜなら 当の本人達は 「えぇ゛ーーーー???」 と驚愕していたし
我々も当然知らなかったことだ。
判定するならするで、それまでに時計を入れるべきではないか。
何時何分をもって、判定とする、と云うのが筋ではないか。
時間制限を与えずに 結果として長引いた対局に対して
「ココで判定しちゃっていいかナァ?」 は無いのではないか。

正誤は わからないけれど
見ていて切なくなるね。こういうの。


それでもどうにか、お昼を挟んで時計が入ることとなり
(当然、入らなければ時間どおりどころか、会場を借りられるリミットを過ぎてしまうことは歴然だった)

午後からはスピードアップしてきた。
それでもかなり見ているほうはヤキモキしたのではあるが。


当チームは 粛々と相手チーム殲滅作戦を遂行し
最後から3番目の対局で 無負チームと当たって全勝した時点で
優勝を確信した次第。

親たちは 小さく小さく 「バンザーーイ」 をした。


あぁ、このチームで良かったぞ息子。 
T君に賞状を持って帰らせるどころか 助けられたね。

終わりごろになってチームとしての一体感を噛み締めている3人(と親たち)が
いぢらしい。


さて、 表彰式後、
頂いたトロフィーについて
お互いがお互いに 「どうぞ」 と譲り合ったのだが
その顛末については 愚夫が記事にして上手くまとめているので そちらをパクって
記載する次第。

親馬鹿で結構だっ。

3年後、コレ見て浸って泣いてもいいぞって 思ってるからwww


(以下)

=====================================


『 ・・・・・・先日の団体戦で頂いたトロフィーのリボンに

大会の名前
チーム名
メンバーの名前

息子が一所懸命に書いてました。

うんうん。
いい思い出になるね。


実は表彰式前には「トロフィーはT君に渡そう」、とK君パパと話していたのです。
大会参加を最初に呼びかけてくれたのはT君パパだし、
団体戦のMVPとしてもT君がふさわしいだろう、と。


ところが、表彰式後に降壇すると、息子が「僕、トロフィーが欲しい」と言う。
結局ジャンケンとなって息子が勝ってしまったので、息子がトロフィーを持ち帰ることになりました。


今回、大将になった息子は個人戦以上に「絶対に全部勝つ」の意気込みで望んでいたようですが、前日に行われた個人戦をみても決して油断できる相手はいませんし、三人とも高学年を据えた堅いチームが出てくることも予想され、4,3,2年生のチーム構成に余裕はありませんでした。
プレッシャーは大きかったようです。
それだけに、3人で勝てたこと、2人が先行してくれて助けてくれたことが息子の印象に強く残ったようで、トロフィーに執着していたのは、どうやらトロフィーが欲しかったのではなく、リボンに3人の名を書きたかったようなのです。


後で、「これ、来年には返すんでしょ?」と。
(いやいや、そーじゃないよ(苦笑))


初めての大将は、息子にとって大きなものだったようです。』


DSC_2203.JPG



=====================================

ほんの一刹那に集合した親と子が たちまちのうちに解散して散る潔さ。
団体戦については

これまでも参加チャンスが無いわけではなかったのですが
小学校団体戦・教室対抗戦など、条件付きの大会も多く
小学校、などでは息子のようにマンモス校と対照的な立場の学校では無理な話
教室対抗戦などでは、やはり教室という看板を背負う以上 教室側の意向が強く関わる場合もあると思われ。


対し 今回のチーム編成は全き参加者本位の立場でした。
自主的なチーム編成がこれほど当事者に力を与えるものであったことは
意外なほどの驚きでありました。
 

「それだけに 残念。」 な部分もあり

かたや
「参加させてもらって有り難う」 というところも 少なくなかったと思います。

こんなにゼイタクなロケーションを惜しげもなく提供してくれるバックボーンがあるなんて
本当に、本当に羨ましいと思います。
(我が地元では、小学校の体育館を借りるのだって 半ばしぶしぶ、という具合もあるほどです)
将棋というものを愛している地元民の方が沢山いるのでしょう。


願わくは 次回以降も もっと広く、 他県よりの参加者を受け入れるべく
CMをして欲しいし
アンケート形式なり 掲示板なら広く 意見と要望を募って
改善点を模索していただければ 骨子の強い大会として
年数を重ねる毎に メジャー化して行くのではないか、と思います。
(でもなぁ、予算の都合とか色々あるのだろうなぁ)


ながなが お付き合いいただきまして 有り難うございました。


※ 記事内容については面白おかしく描いている部分もありますが実際は淡々と地味に静かに進行しております。



※ あ、ちなみにこの日の翌日は台風で 学校がお休みになるという連絡をメールでもらった時点で

もはや子供たちはハイ・テンションだったんだねぇ。

(大人は休みにはならないから 父親たちは一気にローテンションってか) [バッド(下向き矢印)]





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Chobi.H.YAOITA

おめでとうございます!
オトナのえげつない手口って…大事なんですね!(笑)
「そろそろ…イイかなぁ?」もスゴイ処理ですよね(^^;)
理不尽な大人達に揉まれて子供は強くなるんですね♪
by Chobi.H.YAOITA (2014-10-11 23:45) 

cassis

● Chobi.H.YAOITAさま 有り難うございます^-^。

アイコンが新しいですね♪

普及活動が各地で熱心なのは良いのですが
開きすぎた世代格差? が影響するのか
いま1つ噛みあわないような気がしてます。
…もっとも当地も似たようなもんですが。
そして親も・・・w
子供の才能を伸ばせ、というより今、自分が愉しみたいのでわw
(牛の角突きか)

by cassis (2014-10-12 21:58) 

ryang

おめでとうございます(^^
ルールについてはやはり疑問というか理不尽さが
ぬぐいきれないですが、そのアウェイな環境の中で
力を発揮して、チームで戦って結果を残すというのは
やはり素晴らしいです(*^^*)
by ryang (2014-10-13 15:14) 

cassis

● ryang さま 有り難うございます^-^。

うへへ。 頑張りました( って子供たちが)。
でも実は勝ってる記事の3倍は負けてますw
子供たちはあんまりルールについてアレコレ云わなくて
その分 親たちが云うことも(たまには)あります。
子供たちはすぐ顔を覚えて次に遭う時は御友達になってて
楽しいっす。(こちとら名前も顔もすぐ忘れるわ~)

by cassis (2014-10-13 17:42) 

さきしなのてるりん

終わりよければすべてよし。めでたしめでたし。来年がまた楽しみだね。県の森文化会館は保存運動があって残ったんですよ。松本にいた時はよく使いました。そのころの館長さんとも親しかったんです。使いやすいところでした。
by さきしなのてるりん (2014-10-13 18:48) 

cassis

●さきしなのてるりん さま 有り難うございます^-^。

あがたの森』 は建築様式と自然を全部ひっくるめて
重厚で、美しい区域でした。
地元の人の努力が結果的に国が内外に誇れるような
文化財産を保有するのに結びついていくんですね。
晴れていたら公園でのんびり寛げたろうな、と残念。
来年行けたら是非、
台風抜き、であの大きな樹木群を下から見上げてみたいです。

by cassis (2014-10-13 22:46) 

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