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閉じた家。 [介護・番外編]

晩秋のこと。

父の四十九日も終わり(・・・色々あったけど[もうやだ~(悲しい顔)])

残した一日の余暇で、雪国ならではの必須儀式、 『雪囲い』を することとなった。

Wikipedia→雪囲い

誰もいなくなる家だって、そのまま何もせずに置いておくとエラいこと。
屋根は、融雪の会社の方が親切に?

「他ならないお客様の家ですから、ボク(!)が責任持って見ます。任せてください。」

・・・・前の家のおとーさんに頼んでおいたのだが・・・。

「年配の方に任せられる作業ではありませんっ」

・・・いーのかな。頼んじゃって。

さて、屋根は何とかなりそう。でも、全体を覆う囲い、を何とかしないと
窓ガラスが割れます。
雪が内部に進入します。水道管も割れます。・・・・

そんなわけで、『雪囲い』。

全部、完璧にこなしていくには余りにも時間がない。
すでに予報は今日、明日にも雪模様。既に一度ならず降っては消え、しているので
この次 降れば本格的な積雪= 根雪、 となるだろう。

庭の木々に、ざっとロープを廻して囲(かこ)う。
伸びた枝を切り払う。
切った枝をまとめる。・・・

これじゃ家の囲いまで手が回らないんじゃ・・・と不安になりかけたころ、
見かねてか、裏の家の 同級生の兄にして幼馴染のY君が 
玄関、台所、トイレ、の囲い作業(電動ドリル必須) をやってくれていた。(持つべきものは同級生のマメな兄。)


おかげさまで、昼前になんとか、「一冬大丈夫かな?」 程度の体裁ができた。



「誰も入らない家」 ということで、見たくれでなく頑丈さ優先に囲われた玄関、台所そしてリビングは
入ってみると 薄暗い。


このやたら静かになってしまった家の中には誰も住まない。
少なくとも 次の年の春までは。
春には再び、日が射すのだろうか。実を言えばそれすら判らない。


母の居場所はまだ 未決なのだ。
三月までの保留を決めてくれた施設も
本来なら、母の居られる場所、ではない。三月までが、色々な意味での区切り、である。


そしてこの家は。・・・・・・・

つい昨日まで、沢山の人が出入りして、家は「生きている」ように見えただろう。

その時には気が付かなかったが、こんなふうに 重装甲ガンダム風、に板や鉄の棒、で覆われて
ナンだかすっかり 「家だった何か」 になってしまった、と思った。



出発するときに鍵を閉め、最後にも一度振り返ると
私の育った家、は完全にワタシ達を締め出して

けっこうデカい 父の墓標、みたいな顔をしていた。

うまく言いづらいが


この感覚は 焼きつくだろうな、と 感じている。



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