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金原まさ子 『カルナヴァル』。 [書籍]

短歌や俳句 川柳が好き。

恋してしまう。焦がれてしまうといってもいい。
絶対に自分の手の届かないものだと思うから尚更

「こんな風に詠めたらいいだろうな」 と
幾度も手を出しては
ぜんっぜん、
その
奥深いというよりも自分がいる場所とはあまりに違う次元にある世界

手は鉤のカタチとなって虚空を切り
微塵もつかめず終わる

やるせない思いを心臓に満々と湛え
今日に至っている
どう頭をひねりにひねってなけなしの語彙から
搾り出してみても

ワタシの俳句は 季語だらけで
川柳にいたっては

オリジナルのフレーズを一行だって作れないのだから
切なくて切なくて

で、人の句を愉しむことでなんとか
己を慰んできたのだなぁ と思う。


そっと 柱の影から見ている
憧れの歌人・俳人だらけである

そういう方たちの作品を見ては
溜息している 恋する明治の女学生 (※このとき限定ということで許して)


[やや欠け月][三日月][満月]



ご存知の方もいるだろうか。

御歳102歳の俳人、金原まさ子氏。

100歳の時のテレビ出演をたまたま見たのがきっかけで
気になってサイトを見るうちたまらなくなり

句集を入手した。

金原まさ子 『カルナヴァル』 

P1070531.JPG


金原ま子 こという俳人

非常な年寄りを親しみと温情をこめた表現で
人生の大先輩 というが

この方の場合 真実、頭を垂れて畏敬を込めて
先輩と呼んでしまいたい
ワタシよりもウン十年 はるかに凄い経験を持って人生を駆け抜けている
しかもいまだ止らない スゴい先輩なのだ
ン十年 先をイッてる

この句集 『カルナヴァル』 の中盤からは

ブログサイトに掲載されている句を元にして構成されている
独特の美意識をちりばめた世界を体感してほしい

・・・そんなありきたりな説明をしたところで
中盤からの難解さと隠微さとフェティシズムと
もう何もかも一緒くたにゼイタクにぶちまけたオモチャ箱・然とした趣きながら

ガラス1枚・大切な部分は触れさせてくれません

序章から ぉ、たやすいかなと思わせる導入にダマされてはいけません
侮れません この句集

はじめの方の頁はまだ イイのです。 少しはワタシみたいな人でも
判るのです。

そうやってずぶずぶ 深みにはまる如く帰れなくなります


月光の茗荷の花となり騒ぐ


少し狂いながく狂いて天の川


べったら漬の樽にかいなのようなもの


白磁に盛るひかりごけのサラダとさじ



もう心がざわついていけません。こんな本は・・・

国書刊行会で A.クロウリー著作シリーズの隣にでも並べてほしいというくらい
アバンギャルドです

 (※わがるひとだけわがればええ)


興味の沸いた方は1度ブログにお出かけくださいませ





ホントにこの感性をお持ちの人が102年もご自身の成長を継続されているのです
有り難い世の中だと思います。

近くて遠い春ですがすぐそこ。


生暖かい春の宵に アルコール片手に読むのが
まだしも 免疫に優しい接し方かも知れませんね。




ちなみにこの方は 半生(?) もなかなか怒涛と波乱に満ちてカッケー[揺れるハート]ので

自伝の方も見かけたらちょっと立ち読んでみてもらえればイイかなと思う。


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