父・3回忌。 [家族のこと]
(※10月19日付の記事の続編)
土曜日は午後くらいに実家方面へ出発。
父の遺影を包んで、そのまま予約してあった 「鹿渡館」 へチェックインした。
無人駅の敷地内にある 小さな民宿というか湯治旅館。
「日本秘湯の会」もまっつぁお
日本ひなびた和風旅館の会 (勝手に北関東支部) を自称するcassisが
懲りずに調査して参りました。
旅行サイトでは早々に満室になっている一連の地方部の宿も
自分で問い合わせれば 空きはある、との確信の元
自分の泊まりたいエリアの宿を片っ端からの覚悟で問い合わせたら
早速2件目にしてヒットした ちょっと変った鳴き声でなくカエルで知られた場所にある 天然温泉の宿、でございます。
自宅を出るときは雨で
「向こうに着いた途端に晴れる」 と(自分の都合だけ)強く念じて出かけたところ
トンネルを抜けて着いた先は晴れていました。わはははは
ものごと気合だ。
チェックインの時間より1時間早い問い合わせにも 「どうぞー♪」と親切なお返事。
長々とした階段と渡り廊下、迷路のようなうねうねの階段をいくつも越えて奥のどん詰まり部屋へ。
早速 お邪魔して部屋にて寛ぐ。
二部屋をぶちぬいて作ったらしい3人(以上)部屋。 コタツとヒーターがしつらえてあって
表向きより使い勝手の良い感じ。
荷物を置いて、夕方のお寺訪問まで時間があるので早速
cassisと息子は浴室へ。
風呂は多少火を入れてある、と訊いていたが
想像以上に沸かしがキツくて 「あぢーーーーーーー」
となりの男風呂から 息子の断末魔声と宿のおじちゃんの
「ボク、熱かったかい?」 (笑)
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部屋に戻って着替えてしばし寛ぐ。
そして時間前に 礼服に着替える段になり
「おい、オレのワイシャツは…?」 と旦那。
忘れた…
息子のスラックスはぶかぶか。
しぇぇ、時間タイトなり~!!
急いで車に乗って 町の洋品店まで。
だんなのワイシャツを購入し、息子のベルトとサスペンダー…は
売ってなかったので、ボタンをたまたまウエスト廻りについていた予備のボタンにかけつつ
なんとかズリ落ちない状態に誤魔化して
さぁ、もう時間が無いからお寺へいくわよっ!!!
時刻10分前にお寺に着いたら お坊様はまだ普段着だった(汗
お坊様が御着替えになるのを待って 17:00から 三回忌のご法要開始。
といっても
ワタシと旦那と息子のたった3人の法要だけれども
そうして 方やお寺さんの方はといえば
……
お坊様と 後ろに若坊様(息子さん)が。…
こんなこともあろうかと(?)
読んでおいて良かった。… (the 『深読み』。)
2人分の御布施であります。 (あれ、どうして泪が…)
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辺りも暗くなって 本堂の荘厳な雰囲気の中、
御坊さん2人の読経が鳴り響く。
えぇと 独白(モノローグ)。
じーさん、元気か? いや、違うな
…
アタシらは 元気でやってます。
んーー、
(ひとりずつ前にでて焼香する)
お経文の内容でも日本語で理解できる部分があって
中には
「〇〇家の子孫繁栄 家内安全を功徳として集むる」みたいなことを
長々詠んで下さるところのくだり
ワタシはいつも こういった仏事に何の感慨も得ることなく
ひたすら眼前を凝視するのみだが
それもまた手持ち無沙汰ならぬ目もち無沙汰、になることがあるよね
それで
ともかくも折角頭を下げるならぱ、と
アタシよりもなによりも
ていうか アタシは色々親にも廻りにも不幸してるけれども
息子はね、息子のことは
コイツはアタシなんかにちっとも似ないでイイ子だから
(と親はみんながそう思う)
兎にも角にも よろしく頼みますっっっっ
そりゃ調子イイけど
焼香に願うことって 成仏なんかじゃなくて そんなことでした。 (※当社比)
神仏混合 ええこっちゃ
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そうして厳かな時間が過ぎ
お寺様とお茶する時間で、居間へ。
お茶とお菓子をいただきながら軽く世間話などして
「そういえば、今夜はご実家には泊まるの?」 と訊かれたので
これこれ、こうで旅館に泊まる、と云うと
「あ、あの旅館ね。 …うねうね迷路みたいになってるところでしょ。…
なんか、お化けがでそうな、ねw」
と
お寺のお坊様に云われる。 …「お化け」 になる前のご商売だから
イイのだろうか。…
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お宿に戻って夕食前に息子とひとっ風呂。
沸かしの湯とは訊いていたが
賭け流しレベルで惜しげもなく沸かしている…あづいっっっっっっ
コチラも惜しげもなくどんどん水を入れる。
お湯はうっすら赤くて 実にカラダに染み入る泉質でありました、
いわゆる「しまい湯」とは正反対の性質であると思われ。
そして楽しみ夕食の時間。
とにかく沢山ある。
上の写真に加えて 「茶碗蒸し」 と 「川魚の姿焼き」 「ぜんまいの煮物」 等が出てきた。
(アセって撮影したら まだ続きがあった)
山里の珍味、と云えばそのようだが
アケビ酒やら 山菜天ぷらやら鮭白子やらズイキの酢の物に野沢菜に、と
ワタシにとっては まっこと古里の味
「オタクさんは苗字が〇〇だけど、ひよっとして ●●出身のヒト?」
と宿のお父さんが言う。
そうです、その狭い単位(村)の出身です。
すごいでしょ、なにも特殊な苗字じゃないのにこの町のここの人たちは
ワタシの出身地が分かるんですねぇw
で、しばしローカルな話題に興じる。
(※どこそこの近所の誰だれの娘が公民館の裏のどこやらへ嫁に行った話…
しらんわ)
鍋の中身が気になっていたので
「これは何のお肉ですか?」 と訊くと ちょっとおとうさんの顔が曇り、
「ホントは熊を(!) お出ししたかったんだけど…今年
セシウムが出ちゃって(熊の肉に)
……申し訳ないんだけど 鴨肉でカンベンして下さい」
いや、鴨で充分なんだけども… (熊肉は得意じゃありません)
ここのお宿は注文しておけば熊ラーメン・熊鍋・鹿肉などを食させてくれるということで
知られたお宿なんだけれども(たっぷりあればデフォルトで鍋にしてくれるらしい)
こんなところにも放射能の影響。
N県にも確実に影響はある。
もちろん、日本中に実は あるだろうね。 (知らされないだけだと思う)
真面目に商売やってるヒトにはたまんない話。
まぁ、熊、を食べるかどうかはおいといて。
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さて、
たらふく食べて(呑んで) 部屋に帰ってまた御風呂だ。
どうやら我々も含め、今夜の宿の宿泊は2組だけのようです。
ほぼ風呂、貸し切り状態ね。 ありがたや。
そんなこんなで素晴らしい一夜を過ごし…
たと思われる 日本秘湯とともにひなびた宿を愛する会の各支部の皆さん。
(最初と名称違ってるぞ)
この時期の長野県北部には気をつけなくてはならないハザードが1つ。
古い木造家屋・晩秋・そろそろ暖房を用意し始めた屋内 とくれば
ご存知の方はおられるかもしれませんが
越冬を希望する虫さんたちの大量発生が 見られます。
はい
カメムシ。
多くは語りたくありませんが
私たちの部屋も木造二部屋ぶち抜き・サッシ窓枠隙間数多し
部屋内部ヒーターあり
外晴れ・夕方よりの冷え込み
これら条件の多重構造が実に
沢山の虫虫パラダイス★となり
多くのカメムシ (…と何故かついでにゴキブリ) を呼び込んだのでした。
多くは語りませんが
やっと見つけた武器 (=ガムテープ)を 障子の桟にべた貼りして
一晩
明かりをつけるたびに窓の外でうごめく虫たちの足音を聞いた…
なんて話しはね ひなびた秘湯を愛する会の僕たちは
当然のリスクとして負わなくちゃなりません。(´;ω;`)ウッ
それらしいキーワードで検索すると
晩秋のカメムシがどんなにものすごい数発生するか(※場所による)
研鑽を深められるかと思うのです。
夜中、1度目覚めて御手洗いに行こうとしたら
寝静まった部屋に息子の声で
「か・に、 か・に」
…ものすごく嬉しそうな寝言だった。
息子よ、そんなにまでカニのことを… (ヘンだな泪で目の前が…)
そんな (
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朝食です。
もちろん食事前にひとっ風呂浴びましたとも。
(水入れましたとも)
普段はパン食のcassis家、食べきれるか? (コレにきのこ汁とご飯はコシヒカリ)
いや、食べますcassis家ファイアーー。 残すなどという文字は我々の辞書に無い。
(近年なにやらコレが不文律)
ワタシは2回、息子は3回お替わりをした。
(息子とワタシの「ご飯は別腹」 である)
宿を出るとき
「イイお天気でね~。(雨が)降るって予報では云ってたけどね~。」
と宿のおかあさん。
フッ v( ̄∇ ̄)
気合ですよ。
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さて、おじいちゃんの卒塔婆をもって 実家のお墓へ。
イイお天気。ペットボトルのお茶をあげて、卒塔婆を挿してお参りしました。
この卒塔婆を挿す行為こそが故人の最高の供養になるという
ハイッ
これにて三回忌 終了。
これでイイじゃん、て思う。
ちなみに母親には 「適当に勝手にやるけど、いいよね? 」 と
お断りは入れておきました。
「適当にやってイイよ。」 と母
しきたりで合同形式でやるよりは高く(金額的に) ついたけれども
そもそもコチラがやりたいからやったんだぞ、という気概は大きいよね。
満足しました。
午後、息子は将棋があるので、早めに帰宅の途につく。
途中あんまりお天気がよく 紅葉がオンタイムだったので
車を降りて写真など撮る。
亡き父親の戒名には 「紅葉の美しい山々」を示す文字が入っているのだが
とてもとてもふさわしい秋空と紅葉の景色を見れたので良かったと思う。
次回'(7回忌)は何処に泊まろうか。(そこか)
宿のおかあさんが帰りに「お土産」と持たしてくれたもの。ハッカ糖。
楽しい法事報告でした。しかしものすごい量の料理。入るんだねぇこれが。
by さきしなのてるりん (2014-11-06 15:25)
● さきしなのてるりん さま 有り難うございます^-^。
入りますね~w年々胃袋だけがおおらかになってます。
これまで大して関心もなかった食べること&出かけることが
年齢が上がるにつれ 大好きになってます。
事情が許せば一人旅、もオツかなぁ。
てるりんさんも機会があれば是非。
JRE山線沿い・春には三歳狩りも案内してくれるそうです。
by cassis (2014-11-06 22:19)
カメムシ様の機嫌を損ねると臭い目に遭うので
いつも大変うやうやしく接しているのですが
あまり大勢様だとそうもいかないのですね(^^;)
by Chobi.H.YAOITA (2014-11-07 20:29)
● Chobi.H.YAOITA さま り難うございます^-^。
大変うやうやしく接するにはご一行様の数が多すぎて
ガムテープ待遇となります。この場合のガムテープは
「目張り」の他、接着面に虫をとらえてくるむ、という
物理的直接的捕獲の道具になります。
…さる温泉地ではですね
ホウキとチリトリでですね、ざざっ と集めて…
(う゛う゛)
by cassis (2014-11-07 21:57)
「三歳狩り」 って何コワイ (´;ω;`)
正しくは 「山菜狩り」 です。子供たちに愛を。
by cassis (2014-11-07 21:59)
うんうん
ワイシャツ忘れたりズボンぶかぶかだったりしても
結果オーライですよね(o^^o)
良い三回忌になって、お父様も嬉しく見守って
頂けるように思います。
温泉旅館、逆に貴重です、行ってみたい。
今時どこ行っても「築地直送のー」ガクッときますもん。
やはりその土地の食べ物、ていう正しい旅館だと
ちゃんと夜中にお腹が空いて、朝からお代わりですよね(o^^o)
by ryang (2014-11-08 04:01)
● ryang さま 有り難うございます^-^。
こういう「ちょっと愉しむのには工夫が必要」という
宿泊施設が大好きです。ツケモノさんもそーでしょーw
それで寝静まった人気のない廊下、というのがオツで
つい起き出してうろうろしてしまいます。
(自制が聴く内の趣味にとどめておこうと)
強い泉質だったようで、都合3回入湯しただけで
首筋とか痒くなりました。 ^-^; マケナイッ
by cassis (2014-11-08 17:20)
お父様の三回忌 ご無事に執り行われましたようで
ご苦労様でございました☆
故人もお喜びでしょう☆
先日獏の実家でも越冬前のカメムシのご一族から
突然の訪問をいただきまして
ご遠慮申し上げていたのに・・・などと悪態をつきながら
逃げ惑いました・・・・嗚呼 (pwp)
by 獏 (2014-11-11 12:40)
●獏 さま 有り難うございます^-^。
彼らがそこにいるというただそれだけで、
どうして人はある種の畏怖を覚えつつ迎え入れてしまうのでしょう。…
ちなみに当cassis家は今、テントウムシダマシの
テロ脅威に敢然と立ち向かっています!!
(戦況は甚だ分が悪いです)
むしむしむしむしぱらだーいす
by cassis (2014-11-11 15:48)