緩やかに壊れる母。(※でも周りとリンクせず) [遠距離介護(母。)]
定例:母の病院。
前回は介護タクシーを依頼したけれど
費用面その他 想像外の大変さで辟易して
今回は申し訳ないけれど平日、My連れ合いにも有給を取得してもらった。
重ねるが
平日なので息子は就学に勤しんでもらうことに
(つまりはお留守番)
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病院自体は受付番号を呼ばれさえすれば恙(つつが)なく検査→診察まで
それこそ
待つ時間の五分の一程度で 済んでしまう
「低空飛行ですが特にこれといって緊急性の高い症状も無く…」
これも毎度の事
充分ですが
遠距離組はこのわずか一行の宣託を訊くために
数か月前からスケジューリングし馬鹿々々しいまでの卑屈さで有給と気を遣わなければならない
昼過ぎになってしまったので
いつものように 母親含め
お昼ごはんを外食で取りましょうと予定通り
病院近くのお店に入ろうとしたら
「お前たちだけで食べたらいい。
アタシはもう食欲がないんだからいらないから」
外で待ってるからお前たち勝手に食べてこいと 来た。
お母さん、それでは私たちが老人虐待の娘夫婦にしか見えないから。…
いらない・食べたくない・食べないんだから薬も飲まない
てこでも動かない。それもそのはず
沢山病院で待たされた腹いせである。
誰に対しての腹いせなのかといえば
「これ以上待つのは嫌だよ、アンタ、病院の看護士さんに行っていつまで待てばいいか聞いてきてよ」
に対して放ったワタシの
「みんなおんなじ条件で待ってるんだからそんなことはしないよ。ちゃんと順番通りに呼んでくれるまでみんな待つんだよ」
という返事
これに対する時間差のストライキなんである。
当然昼食を取らず薬を飲まずとなれば 施設の担当である看護師になにくれと云われるのは
監督たるべき娘のワタシである。
その様子を陰から見てニヤつく母(※ワタシも被害妄想が高じてきている)
もうなんでもいいや。
食いたくないという人に食わせる飯はない。
ワタシと連れ合いも母の前では食べることをせず、彼女を施設に送り届けてから
遅い昼食にすることと予定した。
ともあれ施設に帰宅。
そして去り際の施設からの再度の有難きご宣託を賜ることとなる
「ちょっと近況報告をイイですか…」
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尿漏れパッドを廃棄する前に部屋の中に干してしまう
そのせいで部屋内部の尿臭が酷い。
本人に口で説明しても理解してくれないこと。
日にちの感覚を保てないこと。
「他の施設に移りたい」などと云うが
どこが良い、とは一貫していない。
どこが気に入らないのかも一貫しない。
これまではそこらへんのファジーな一貫性の無さ、というものを
大なり小なり施設側が経過も含めて理解してくれていた。
だが
人事の刷新が続き、
ここまでに至る経緯を知らない若い職員が増えた。
この自ら 「入所者の希望を聞く係である」という 若い担当者の
母との一連のやり取りにつての説明は明らかに
ある種の軋轢である。
母との衝突。
頑固でワガママで耄碌した年寄に存分にメンタルを傷つけられた年若い女性が
あらぬ方に流し目を送りながら
相手の一貫性の無い「移動願い」についての不満をぶつけてくる。
今やそれらの原因と戦略をこちらが練ろうにも
母本人が理解するつもりがなく促すすべもない。
「そんな面倒くさいことは一切 考えられないようになったよ」
と
何時から母がそういう母になったのか
しかし確実にそういう風に
ワタシにバトンを渡そうと 画策していたことは
容易に窺い知れるのである
母がそういう言い方をしながらワタシをチラと見るときの『こ狡い』視線とともに
取り合えず いつもながら疲れで頭も回らないワタシに何か良い返答の浮かぶはずもなく
ただただ若い人に恐縮して 頭を下げていた(この感覚久しぶり)
後で部屋付きの担当さんに話すと 「大丈夫ですよ」と云ってくれたので
その根拠の無い「大丈夫」に 迂闊に癒されることを自分に許した。
いよいよ引き取り手のない自分になったら
娘のところに転がり込むつもりなんだろうなと
自分の母親の心の中の真っ黒さが見える気がした
もちろん そんなことさせないから、とあらためて
熾火のような闘志を奮い立たせようとする娘も
真っ黒である。