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あちら、とこちら、の都合。(1) [介護・番外編]

父の肺炎、と母の連泊、の綱渡り状態が続くこと二週間。

カレンダーは既に八月へ。
もともと「七月一杯はなんとか・・」 という予定で契約を入れていた母のステイ先。
ここのとこ、毎週末、顔を出すのも気まずい状態が続いている。

そんな中、実家の近所のTさんが、夏休み手作り教室 『ホイップデコ・アート』の
体験講座を、先生を呼んで開いてくれることとなり
完全なプライベートでワタシと息子を呼んで下さった。
用事が無いのにわざわざ実家まで・・・・とも思ったが 一方
実家に行く= ジジババ関連、で、良い思い出が1つもできない息子に対しての申し訳なさもあり
(息子も参加したい、と強く希望したため)
喜んで参加することにした。
完全なプライベート体制をしいたつもり。実家の誰にも今回の期間だけは知らせずに・・・。

フッ・・・ 甘いな。( 天の声 )

帰還予定前日のこと。

現在お世話になっている施設のRケアマネより連絡有り。

「印鑑の必要な書類があるのですが、近日こちらにいらっしゃる予定はありますか?」
・・あ、はい。・・・明日、行きます・・・。

その約五分後、
二週間連絡の無かったKケアマネから電話有り。
「お父さんのことについて打ち合わせできる時間とか、ある?」

・・・あ、はい・・・明日、そちらに行く予定があるので・・・。
今をときめく人気者のようではないか。フッ・・・

ねぇ。

・・・みえてるの????  

プライベートはたちまちパブリックとなり
ワタシは予定より一時間早起きして(・・息子に五時半に起こしてもらいました)
一路・実家へ。

父親の病室に行くとケアマネが来て

「・・・お母さまの退所の都合は、あちらのケアマネに相談しなくてはいけないわね。
・・・アナタから現状を説明した上で、お願いするしかないわ。事情を含んだ上で
あちらに陳情するのは家族しか居ないのだから。」

作戦参謀なの??

「・・これというのも、アナタがこちらにお母さんを移し替えたから、よ。仕方ないんだけど。
アタシはイヤだったんだけど。」

まだそれ 云うの????

その足で母のステイ先へ。
こちらのRマネにご挨拶を済ませ、どっから話したもんか、とあぐねていると
「・・お母様のステイ日程なら、八月一杯は押さえてありますけど・・・アハッ。・・・

あっ・・・云ってませんでしたっけ・・???」

漫画なら四コマ目でワタシがずっこけているところだ。

「なにかあったら呼んでください。」 と云っていたKケアマネを呼びつけたワタシ。
呼びつけましたとも。
利用者の娘であるワタシも利用者である母も
この新/旧 ケアマネ2人が揃ったところを見たことが無く
ましてや引継ぎをしている様子を見たことも無い。
2人がどんな話を私の前でするのか興味もあるところです。

少しして Kケアマネがやってきたが
待っていたRケアマネとワタシのところにはこないで 直接母のところへ行く。
どうしてなんでしょう。引き継ぎません。
三人でぶっちゃけた方が判りやすいお話、とか無いですか?

Rケアマネ曰く
「・・まぁ、お父様の事情と退院日程をさぐりながら、つど応変にやっていきましょう。」
かなり見かねてくれている様だ。
「何か変化があったら、・・・僕にも連絡を下さい。」

・・やっぱりKケアマネとは接点がないのか。この人たちが属しているのは
同じ町の同じ施設母体ではないのか。

個室ではケアマネが母親に噛んで含めるように話して聞かせている。
「そんな一度にいろいろなことを云われても、ワタシだって考えられないよ。」
「今考えないでいつ考えるの??」
クリーンヒットだなぁ・・・アタシの母親だから見ててもなんとも思わない (←これも問題だな) けど、
他のご老人が言われてるのを聞いたならキツイって思うよなぁ。・・・

Kケアマネが退室した後

「どうしてああいう言い方しか出来ないのだろうねぇ。あの人は」
閉まったドアに向かってぽそっという母。

まさにそれ。・・・よくぞ申してくれました。初めて気が合ったわねお母様。

自身の仕事の流れを限られた中でスムーズにするには
ましてやトリアージされることも無く持ち込まれる案件を次々と抱えていては
或る程度業務をコントロールしていくことは必要でしょう。
だけど、目の前に居るのは人、であって業務ではない。
自身の都合で割り振りされていいはずがなく、彼等には人としての「意思」が、あるハズ。
「要望」だってあるし 「希望」 もあるハズ。

「そんなこと言ってる場合じゃないのよ」 とは

サービスを提供する側が 口に出してよい言葉じゃ、ないのでは。
「ご本人と家族の意向」 を確認しながら
自らの都合で 変更を迫れば
それは「サービスの提供」、ではなく 「管理」、だ。
「管理」せざるを得ない現状があるなら

・・・・・・
せめて上手に嘘をついてあげて。
相手を喜ばせてあげて。
だって、あなたの生活の糧(かて)、じゃないの。
お金が服着て、そこにいるのでしょう。

行政はもうちょっと、サービス業のなんたるかを職員に勉強させたほうがいい。

町の繁栄は住民の満足度に拠るのと違う?
お年寄りになったらこんな目にあう故郷に

若い世代の誰が 戻って来たいと思う?
少なくともアタシはゴメンだわ。

・・・・・・


出来上がった書類のコピーを手に、施設を出る頃

「あせんなくて、いいよ。」

息子が何を思ったか、つぶやいたのです。






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rtfk

「福祉」の世界で働いている人たちには
「顧客」という概念が無いように思えます。。。
そういうサービスを施してあげているのだ、という態度を
感じることがあります。。。
もちろん一部の人たちですが。。。

by rtfk (2012-08-06 12:55) 

cassis

●rtfk  さま ありがとうございます^-^。

「家制度」が近い将来崩壊する、と仮定して
老後の「福祉の充実」こそがその行政地区に
定住する条件のトップたる時代が
ソコまで来ていると思うのです。
行政区の生き残りの鍵がそこにあるとすれば
今こそ「福祉=サービス」を徹底的に底上げして・・・
アレ? イデオロギーが色濃くなってきました・・・(-_-;)
by cassis (2012-08-07 00:12) 

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