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『 RIVER』。 [介護・番外編]



・・・・・(1曲、お付き合いの程を )(笑)


実家付近を車で流している。
町全体が 段丘に乗っかっている。

早い話

『・・・町の段々畑や~』 (BY 彦麻呂) 


矢のように飛び回り あれこれと 「すべきこと」を 
淡々とこなしているつもりなんですけど

上手くやれた、やれない
そんなことを抜きに どこか身内に流れる
「切なさ」 が いつも ある。

『故郷』 に還った誰しもが感じていることなんじゃないかな、と思う。


ふと、あるとき。

あるいは 常に。
身内を切り裂くように。


あるいは
気づかないくらい、微(かすか) に。



過日、出席出来なかった葬儀のあった家に
届くはずの無い、回覧板、が実家に来ていたのを
黙って廻した。


長男が 洗濯物を干していたので
声をかけてみた。
「こんにちわ。・・・お母さんにお線香、あげていい?」


「やぁ、どうぞ^-^」



長男と次男と2人きりで暮らす、散らかった部屋に
2人の母親の 遺影が 置かれていた。


「・・・俺ら、呼ばれたとき、間に合わない、って看護師さんに云われたんだよ。・・・ 
もう、この電話も遅すぎたくらいかも、ってね。
でもね。」

弟が


「・・・おふくろ、頑張ってね、十分だけ、頑張ってね。・・・
俺等が着いて十分後に、亡くなって。」




あぁー、 アタシさ、ここに出入りするの、三十年ぶり、なんだよね(笑)



「あぁ、そんなになるんだっけねぇ(笑)」



色んな場所で、不平等な時間が流れて
もしかしたらアタシも、自分以外を総て、疎んじた時間があったかもしれなくて。
・・・


「今日は、アリガトねぇ。来てくれて。お参りしてくれて。」



そうか。
実家に来て
ストレートにシンプルに「ありがとう」 って聴いたのは初めてだったから。 ・・・



車で流している。
パノラマ中に広がった
河川のロケーションに


視線は あそこで泳いだり
とうろこしを齧(かじ) っている 女の子が 自分だって

こんなに長い間 経って 思い出すんだ。



せせこましかったり
切なかったり


綺麗な部分だけ掬いとって
眺めてみたりしている。
つなげる予定の無い、ビーズが 大っきらいな故郷、を覆う。


それでも


誰しもが手のひらに握っている 故郷の 川の風景を
アタシも こんな風にして


持っている。




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コメント 2

rtfk

お早う御座います^^)
お線香が上げられてよかったですね。。。
故人も喜んでおられることでしょう。。。
事情もご存知だと思いますよ。。。
私にも長く住んだけど
様々な事情であまり好きではない街があります
でもこの歳になると思い出にしてしまおうかとも思うのですが
もう少し時間が必要な気がします。。。

by rtfk (2012-08-27 07:17) 

cassis

●rtfk さま こんばんわ^-^。

大人になってなお、誰とも共有出来ない「心の街」は
荒涼としたままに広がっています。
綺麗な思い出だけ、入れて置くつもりだったのに不思議と
扉を開けられない場所ばかりが増えていくようです。
・・・
こういうものを、自分が見ているようには誰かに見せられなくて
やっぱり語ることを諦めてしまう自分が居たり。
大人になって、「孤独」 を想うことは
これと似ているような気がします。
 ・・・まぁ現実はドタバタと無粋で、
私心をかがようヒマすらないのですケド(笑)


by cassis (2012-08-27 21:33) 

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