剥いてみた。

久しぶりに知人を我が家に呼びつけ　お招きする。

彼女はワタシが知り得る中でもワタシの師匠を別にすれば
ハンドメイドの達人で
およそ自分で「コレ」　と思ったものは大概のものを
自分で手作りしてしまう。趣味の分野から始まって工芸、日常品まで
文字通り「ハンドメイド」するのだが

今回ワタシにSOSされたのは他ならない　瓢箪(ひょうたん)　の件だ。

彼女は瓢箪への熱い高じて　自ら栽培、収穫・処理し、
そしてさまざまな加工に至るまでを
指導者の下　数年に渡り精進している。

(若いのに?　瓢箪加工の展示会でも既にしてちょっとした「カオ」　らしい。)

そう、彼女こそ今回ワタシが直面したこのハザードの頼もしい助っ人。
・・・まさに今、ワタクシの眼下に繰り広げられる怖ろしいこの事態。
バイオ・(瓢箪)ハザードの。

ワタクシは過日、
手元にあるうち、実家の近所のおじさんからいただいた分、
『百なり瓢箪』　の八個のうち
七個を　「処理」　した。

否、あれは処理ではなかった。

「ひょうたんごっこ」　に書かれていたメソッド通りに中身を攪拌し、溶解した中身を出して
水につけること十日間。

今朝、いい具合に浮き上がっていた表皮を

素手で
剥いた。なるほど、面白いように剥ける・・・。

瓢箪をひっくり返すと、前回出てこなかった分?の　種と中身、が
いともたやすく　げどげどげど・・・っ　　と飛び散って・・・・

途端　ワタシの中で　黄色いランプと　CAUTION　の文字が点滅し始める。
いかん、これはどこかで同じ場面を見たことがあるぞ。

人間焦ると瞬間　一番とっちゃいけない行動をわざわざ選んで取るようになりますな。(泣)
まだよどんだ水が溜まりまくっている瓢箪が入ったバケツそのものをひっくり返し・・・

あらゆるものがお庭の水道の前に飛び散らかった瞬間
赤いランプと DENGER ! ! の文字が　せわしない明滅を繰り返し・・・

バイオ・ハザードが発生しました。!この地点は封鎖されます。繰り返します・・・・この地点は・・・。

ぐわぁぁぁ!　なんじゃこの臭いわぁぁああ!!

あ、あ、　手に、手についた臭いが・・・取れないぃぃぃぃぃ!!!


フラッシュバックする記憶。気絶しそうな臭いに包まれながら　ワタシが引きずり戻された
過去のアノ夜・・・・。

(しばらくそのままでお待ち下さい)

・・・・・・。

くだんの彼女を呼んだのはその「事故」　のすぐ後のこと。

・・・割れて飛び散った中身を見るなり　プロの彼女は一言。

「・・・若いね・・・。」

(あ・・・いや、ワタシのことではありませんね。)

そう、一部　若い＝未成熟な果実が混じっていたのを知らずして素人のワタシが　「ごっこ」　したため

(※「ごっこ」＝「ひょうたんごっこ」を用いてひょうたんを処理すること。お暇な方は過去記事をご参照下さるがよい)

果皮がクスリと水圧に耐え切れず崩壊したのだった。・・・


しかも何の「装備」もせずに　皮剥き作業に挑んだワタシは　

「冬山登山に　体操着で挑むくらいの」　

・・・おバカさん　だったらしい。

いかに　「ごっこ」　で処理済みといえ、

「マスクに二重手袋はもちろんのこと、　手ぬぐいで頭を覆い、鼻栓、鼻腔下にメンターム、 作業は必ず風上にて行うこと・・・。」

・・・検視官　?????!!!!!

手について消えない臭いにぐらっとなりながら
自分の甘さを恥じるワタクシを尻目に
彼女は淡々と「なま」の瓢箪を吟味しながら

「これは処理できる。これは自然乾燥。そしてこれは・・・・」

玄人の選別に余念が無い。

ワタシは手元に残っているうち『百なり』　の形の良い瓢箪を彼女に押し付け　
謹呈することとし
今後の作業について　彼女から入念な指導と　ポイントを授かり・・・
素人の及ばない瓢箪の深遠にして高次な世界観についてご高配を賜った。

念のため
「ひょうたんごっこ」、持ってく?　と訊いたところ

「いらない。アタシ、もうフツーに水漬け作業、平気だもん。」

・・・すごい。来世のダライ・ラマはアナタかもしれない。


ちなみに、例の作業、「ごっこ」無しでやっているヒトのログを拾って見ていると
作業後の感想として

「作業に加わったヒトとそうでない家族」　がその後
どんな感じかと云うと

・・・・・
飼い猫・飼い犬を含む全員が　その夜

「えづいた。」

顛末をなんら予想だにしなかった　きのうのワタシが
「ごっこ」で処理した
デビュー前の二期生が

ウチの台所で待っている。


　

ワタシも　「　えづいた。　」

コメント 4

・・・・スイマセン　早朝から爆笑してしまいました（失礼）（＾w＾）
遠い昔祖父が瓢箪を処理していたときの
あのかぐわしきも忌々しい芳香が脳髄の奥底から蘇ります＾＾）
アレを間近で実際に体験なさったとは子々孫々まで
語り伝える価値があると思われます（＾w＾）
お疲れ様でした。。。。
来年は久々に私も・・・（汗）

by rtfk (2012-10-03 08:15) 

●rtfk　さま　ありがとうございます^-^。

瓢箪って、・・・夕顔の仲間、ですよねぇ?　(´｡･_●･`)
なんであんなにくっさいんでしょう。。
なんであんなに臭う必要があるのか、と進化論的検証から
心底疑問に思うのです・・・。
ワタクシはもはやココで力尽きますが、どうか
是非来年はこのバトンを受け継いで瓢箪拡充の地下組織の拡大を・・・

(何を勝手に云うとるかワタシ)
by cassis (2012-10-03 23:00) 

うーん、奥深い。おそるべしヒョウタン。
でもその瓢箪爆弾、台所で暴発しなくて
良かったです(^^

次回は是非食用瓢箪を育てて
瓜として食べる処理方法を選択するのもアリじゃないですか(^^
by ryang (2012-10-04 01:52) 

●ryangさま　お疲れ様です^-^。

食用瓢箪、興味あったんだけど～。
・・・いざ、食べるときに、しつこいけど
これまでの思い出が走馬灯のように回って・・・
いや、フラッシュバックしてしまったらどうしようかと・・・・(泣)

台所で暴発・・・・・。
今年度　考えられる最大のホラーかも! ｶﾞ━━Σ(ﾟДﾟ|||)━━ﾝ!!
by cassis (2012-10-04 11:00)