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笑ってはいけないところ。 [介護・番外編]

(全国の自薦・他薦の『親不孝者』の皆さん ・・・・・・バチ、当たってますか?)


色々あったが
父の法事も無事終わった。

単純な次第でありつつ
お坊さんも呼ばず
内ウチで
狭い自宅で

四十九日と百か日をかねて(←ココ大事。法事はさりげなく時に乗じて兼ねよう。)
二十数名を呼び
仏壇前の一室で

念仏・(墓参)・お斎(とき:食事)

を済ませるというタイトにしてアクロバチックなスケジュール。

・・・・・要は村内の半数以上がウチに来ている。

・・・狭(せま)っっっっっ

(このへんでよせば良かった、と思うが見栄っ張りなうちの母親の為に奔走するワタクシ。)

この狭い座敷にて、座布団を放り投げるようにして各人の席を作り
この日の為にスケジューリングしていただいた
「このヒトでなくては駄目」 ・・・だという
お念仏の『声明取り』 (メインvol.の如きものか?) のご老人が見えて・・・

この日の為にスタンバっておいた 鐘と鐘たたきを装備?してもらい
読経スタート。

『般若心経』に始まり

そして
いよいよメインの「御詠歌」が始まる。
『西国三十三所御詠歌』 である。

(御詠歌。・・・ご参考に)

かつて幾度か幼少のみぎりに「念仏講」なるものの存在は見知っていたし
参加もした。

その後何度か 祖母や親戚の葬儀・法事に参列をしているハズなのだが
その程度の経験値では甘かったと思う。

『般若心経』 のエイトビートのリズムが
チーン、の鐘の一打のもと

突如として 激・緩(ゆる)く 緩慢な 生きてる事自体めんどくさく馬鹿馬鹿しくなるような
だらーーーーーーん  なリズムに変化して

『西国三十三所御詠歌』 が始まった。


♪ なーむあーみだーーーぁ (ちーん:鐘の音) なーむあーみだーんぶーつ  なーむあーみだーーーぁ。(ちーん) ・・・なーむあーみ・・・・』 

・・・・・・
・・・しまったっ・・・・・・・!!!

あまりに久々のことなのですっかり忘れていた。
ワタシ自身がこの御詠歌なるものにあまりにも向いていない。

この緩(ゆる)いことこの上ないリズムがワタシに想起させるもの。

ドリフのコント。

dori.jpg


志村けんが寺のの坊さんに扮し、けだるげに木魚をたたきながら

『なぁーむあぁーみだぁぁあーーーーん・・・』

アレ以外の何者でもないのだ。

初めてそう思って以来
ずっと今日に至るまで 『笑いの発作』と戦ってきた半生を

cassis、すっかり忘れておったです。[バッド(下向き矢印)]

いかん、肩が震える。

息子を見よう。真面目な顔して詠っているではないか。
旦那もみてみよう。
初めてのことに、この奇妙な音階に面食らっている顔だ明らかに。
予備知識なしでこのリズムに飛び込むのはさぞ辛かろう。

あーー、辛い。ワタクシも辛い。
頬の内側を噛みしめてみる。痛い。・・・ 

『なぁぁーーむあーーんみだぁぁああああん・・・・』

ぐぐぐ。

おんあぼぎゃーーまかほだほだらぁぁ べしゃのぉぉーーぅ』 (と聴こえる。)

教本に目を移してもこのとおりひらがなが羅列していたりするので何の対策にもならない。

ヒトはどうして 笑っちゃいけないところでこんなにも狂おしく 可笑しくなるのか。
笑っちゃいけない、から、禁忌を踏むから可笑しいのか。

『アカン警察』が何人来てもおっつかないぞ・・・。

息子を見よう。 
あまりのわけのワカラなさに 神妙を通り越してぽかん、としている。もはやその息子の様子すら
可笑しくて人生いたるところトラップ有り、だ。
自分以外がみんな異星人に思えて侵略されつつあるワタクシの脳内アバンギャルド領域。

『まかほだらぁーーーぁん♪』(と聴こえる)

これはサンスクリット
これはサンスクリット
頭の中をリフレインで一杯にしよう。
ワタシの人生において、神でも笑ってはいけないところがあるとしたらそれは
まさにココ、今現在が正念場だ。・・・・・・がんばれアタシ。事件は会議室じゃない、現場で起きているんだ。

ここでふいたら
発作を爆発させたら

今まで積み上げてきた地味な努力がだいなしなのよっっっっっっ!!!!!!!!!!!

[爆弾][爆弾][爆弾]



・・・・・ワタシの孤独で長い戦いなんて誰も知らないで
御詠歌は壮大に緩(ゆる)い 「なむあみだはぁ~ん♪」 で終わりを告げた。

(今回はコレでショート・バージョンなんだそうな。どんだけ長いのオリジナルは)

「〇〇(ワタシ)ちゃん、思い出して辛かったのね」 (泪)

となりのおばちゃんがそっとつぶやく。・・・なるほど見ればウチの母親などは涙ぐんでいる。
ええ・・・・ホントに辛かったんです。ワタクシも色んな意味で。
胸に去来するものといえば 志村けんの坊さん姿。なんだかなぁ。

「いやぁ、いい念仏だったなぁ。・・・やっぱり鐘、だよね。
木魚より鐘、が、いいよぉ、うん。」

との どなたかのお言葉を耳にした。
・・・
そうかい、そこかいポイントは。
つくづく

わたしは『よそ者』になったなぁ、と感じたのだ。


<余談:>

就寝後、このインパクトのある読経のリフレインが頭の中から消えず、
困り果てたワタクシは対抗措置として
QUEEN の 『ボヘミアン・ラプソディー』 で頭の中を一杯にしてどうにか
『なあむあーみだー』 のフレーズを追い払ったのだった。


<余談その2:>

帰りの車で 息子と旦那にこの話を恐る恐る振ってみたら
「あれ、ヘンだよねーー♪」

息子などはこらえていたものがあったのか これまたノリまくった旦那と2人
ずっと車の中で 『なむあみだーん』大合唱になり

またしてもこのフレーズで満杯になったワタクシは必死にフレディ・マーキュリーと交霊して

「ママミヤママミヤ♪」と声高に歌って貰ったのは言うまでもない。
フレディよ再登場をありがとう。


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コメント 4

rtfk

こんばんは^^)
まさか そういう場面で そういう用途(?)のために
思い出して口ずさんでもらえるとは
フレディー様も草葉の陰で驚かれていることでしょう~(^m^)☆
自分の場合は両足が完璧に痺れて笑うどころか
嗚咽を漏らしてしまいそうになってました(^^)



by rtfk (2012-11-27 17:52) 

ryang

昔、ヤフー知恵袋だったかな?に「お葬式の神妙な場面で
爆笑してしまって困るけどどうすればいいか」みたいな
質問が載っていたのを思い出しました(^^;

私は「...いつまで続くのか...」と退屈だけを感じていたので
爆笑したくなるようなネタがあれば良いのだけど。と思っていたら
なるほどー。ドリフのコントを思い出せば気も紛れますね。
NHK以外のチャンネルがあることを認識せずに育ったので
ドリフの知識を仕入れておかなくては。

cassisさんご一家の鋭い感性、スバラシイです。
「なむあみだーん」の大合唱は最大のお弔いになった。と信じます(^^
by ryang (2012-11-27 19:52) 

マカロン

いろんな意味でお疲れ様でした。
母が亡くなった晩、枕読経にいらしてくれたお坊様が完全におボケあそばしていて、読経前に父とコントとしか思えないズレた会話(遺体を30年も前に亡くなった父の祖母と思い込んでました)を続けていたことを思い出しました。
そのお坊様はその晩を境に引退なさったそうです。
それでも読経は素晴らしくお上手で、私の電話で慌てて迎えにいらした後継のお坊様の読経よりも胸を打ちました。
父はボケ老人をよこしたと立腹してましたが、2度も読経していただき、皆に忘れられない思い出を作っていただけ私は感謝しています。
お葬式っていろんな事がおきますよね^^
ご冥福を祈ります
by マカロン (2012-11-28 08:19) 

cassis

●rtfk さま ありがとうございます^-^。

近年は「地味」になった、と云われる田舎の法事ですけど
やっぱり色んなところで「音」だの「歌」だの「鳴り物」だのが
出てきますね。古来、「弔う事」と「祭る事」は=なのだ、と
しみじみ感じます。
関係ないけどqueenのこの曲のクリップも流した当時はかなり
内容に話題沸騰だったらしいですね。「死」を劇調に扱った、ということで。
今度リフレインがやまなかったらリッチー・ブラックモアに
『Lost In Hollywood』 をかき鳴らしてもらおうと思っています。


●ryang さま ありがとうございます^-^。

田舎のお葬式に慣れると都市部のスマートな形式がタイクツに思えたり
色々と罰当たり、なワタクシです。
ちなみにワタクシはさるお葬式でお年を召したお坊さんが読経後の拝復の際に頭部を強打して脳震盪状態になっていたのを目撃し、笑い発作を起こして死にそうになったことがあります。

駄目なんですよ。真剣な場所になるほど、遠いところからもう1人のワタシが俯瞰で観察し始めて・・・。
こーいうヒト、意外といるみたい。ワタシは亡き父の性格を色濃く受け継いでおりますので・・・
私のさらに遠い上から笑って眺めているのが父、でしょうきっとw


●マカロン さま ありがとうございます^-^。

リハーサルというものが効かないからこそのお葬式、色んな事が起こります。それにしても「おボケあそばし」ておられるお坊様がお見え、とはこれまた
滅多にできない体験を・・・・・(@_@)
でも、ワタシもほんっっっとに お母上の時のお坊さんのようなヒトがその場に居たらきっと、大好きになったと思います。
きっと素晴らしい読経だったのでしょうね。二度も読んでいただけたなんて素敵です。
ワタシみたいに素人が訊いても、読経の良し悪しは解りますもの。

お母様の思い出をおすそ分けいただけて嬉しい気分です(*^_^*)


by cassis (2012-11-29 07:47) 

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